2011年8月23日火曜日

1-23 アヤソフィア9 西階上廊

次に西階上廊へ。
⑩西階上廊には創建当時の壁面モザイクはほとんど残っていないようだ。
⑪中央の柱間から堂内を眺める。
後陣のイスラームの装置にオレンジ色の光が当てられ、それが小半ドームの金地モザイクに反射して、赤っぽく写ってしまうのではないだろうか。
地上階を照らす灯りが、海に浮かぶクラゲのようだと、おっちゃんはいたく気に入った様子。
残念ながら正面の聖母子像はへしゃがって見える。
目を下に向けると、大理石の腰壁に削られた痕跡。二重の菱形の中央部分と、両脇の十字架の横棒辺りが削られている。これはイコノクラスムではなく、イスラームの手によるもの。
征服王メフメットⅡがさせたのかな?
⑫地上階よりずっと天井が低いとはいっても、このアーチもかなりの高さ。
あまり保存状態の良くないモザイクをくぐって、南階上廊へ。
⑬中支柱にあるアーチ形の開口部にもモザイク装飾がある。さっき見た北階上廊の開口部が正面に見えている。このヴォールト天井のモザイクは、向こうのと同じ文様のようだ。
私が何を撮しているのかというと、
南西エクセドラの端のアーチのモザイク。アカンサス唐草かとも思ったが、よくわからない。
北階上廊の東端のモザイクと同じように、左端の曲面に銀地モザイクがあるが、ここのは葉っぱではない。
せっかくなので、ヴォールトの端から⑪のアーチ列を撮す。モザイクはやっぱりオリジナルではなさそうだ。
鉄の棒がアーチの補強に使われてるのはよくあるが、アヤソフィアではこのような四角い装飾した木材が使われてるのを他でも見かけた。強度が足りないのでは。
列柱の間のアーチ下面を飾る金地モザイクもやっぱり蔓草文様で、それぞれが別の図柄だ。
⑭この大理石の仕切りから向こうは皇族専用の空間(『世界歴史の旅ビザンティン』より)。
その裏側には大きな十字架の浮彫。やはり横棒が削られている。
※参考文献
「ビザンティン美術への旅」(赤松章・益田朋幸 1995年 平凡社)
「世界歴史の旅 ビザンティン」(益田朋幸 2004年 山川出版社)