2012年4月2日月曜日

5日目8 アニ遺跡6 キャラバンサライ Caravanserai

Kさんはどんどん北に向かって歩いていく。
花を見て道草しながらKさんの後を追っていくと前方に長い城壁が見えて来た。雲は浮かんでいるのに、我々の通る所はいつも日が当たって暑い。
城壁まで行かずに右にそれた。
19:キャラバンサライ隊商宿。
説明板は、1031年、セルジュク朝がキャラバンサライを建造し、1064年にアラク・エロツ Arak Elots教会に変えられたという。
昔カッパドキアからアンカラの途中で見たキャラバンサライは四角い城壁に囲まれた大きな遺構だったが、アニのものは小さい。上にドームがあったらしい。
天井には、赤と黒の石で、大モスクとはまた違った文様を作っている。8点星や亀甲繋ぎ文などがある
亀甲繋ぎ文についてはこちら
8点星についてはこちら
地震で崩れてしまったのか、モンゴルに破壊されたのか、Kさんの上の四角い柱頭など、よく落ちずにいるものだ。
対角に架かる大アーチは、低く太い円柱が支えている。
正方形の平天井を対角の大アーチが支えている。なんとも不思議な建物だ。
平天井についてはこちら
他にも5点星や4点星、6点星など、様々なイスラームの文様を駆使して、一つとして同じものを用いていない。
4・5・6点星についてはこちら
対角の大アーチで区切られた4つ目の区画は、明かり取りの窓になっている。
これが外からドーム状に見えたものだ。
4辺からムカルナス状のものが積み上げられてドーム状になっている。かといって半球にはなっていない。
この妙なドームについてはこちら
いや、何種類かの形の単位を組み合わせて、この不思議な形のドームは造られている。独特の形を組み合わせたムカルナスだけのドーム。ここだけ黒石を使っていない。
思ったよりも小さな単位の部品が、ほとんど目地がわからないくらいに見事に組み合わせてある。
アーチの起拱点の下の壁面も色石がはずれているので、どのように壁体を造ったのかが伺える。外壁と内壁には凝灰岩の色石を積んで、石造に見えても、その間にはコンクリートに骨材を混ぜたものを入れているのが見える。というよりもコンクリートよりも色石の骨材の方が多い。
キャラバンサライもローマン・コンクリートと同じような工法で造られていた。
ローマン・コンクリートについてはこちら
浮彫の十字架発見。確かにキリスト教会として使われていた。
外壁に尖頭アーチがあった。その中のムカルナスは色石を組み合わせたものだ。
天井の色石の組み合わせについてはこちら