2014年4月26日土曜日

アテネ、アクロポリス4 周囲を眺める


アクロポリスには様々時代にいろんな建物が建てられた。

9:パルテノン神殿北東辺りから見た16:エレクテイオン。
その手前の四角い物は作業用か何かのためにつくられたもので、13:アテナの大祭壇の部材がその横に並べられているらしい。

16:エレクテイオンのへりに城壁の高い部分が一部残っている。
その下に見える円柱のドラムは旧パルテノンのもので、アクロポリスの北側からはドラムが並んでいるのが見えるという(『ギリシア美術紀行』より)。

アクロポリスの北壁に沿って石材が積みあげてある。
北東方向にに見えるとんがった山はリカヴィトスの丘。
リカヴィトスの丘 標高273m
『地球の歩き方』は、頂上からはアテネ市内ばかりでなく、天気がよければピレウスの海まで見渡せるというので、ギリシア最後の夜は、頂上のレストランで食事をしながら夜景を楽しもうと考えていた。ところが、当初の予定では春先に出掛けるはずだったが、遺跡や博物館の開業が夏時間になるのを待っているうちに、一年でも一番日の長い時期になってしまい、食事時はまだ日が沈んでいないことがわかって中止した。

アクロポリスの東の端には展望台。
手前の遺構は10:ローマ時代の神殿跡のもの? 
時間がなくてとても展望台まで行けないので、展望台を遠望しておく。
11:パンディオンの廟堂や12:控所などの遺構も多少は残っているのかな。

南端にあるのは旧アクロポリス美術館。


パルテノン神殿との間に円形プランらしき建物の遺構があった。
10:ローマとアウグスタの神殿
『ギリシア美術紀行』はローマ時代の神殿としている。
イオニア式のトロスだったようだ。
トロスについてはこちら
パルテノン神殿の東側を通って南端に行ってみると、新アクロポリス美術館が見えた。
これについては後日
新アクロポリス美術館はアクロポリス南麓の遺跡群とディオニシウ・アレオパギトゥ通りを挟んで南側にある。

もっと近づいて見下ろすと、新アクロポリス美術館の手前に、ディオニュソス劇場の遺構が広がっていた。
その西側にはアスクレペイオン跡。
その先には、参道の登りで見えたヘロデス・アッティコスの音楽堂

この先で南壁沿いの通路は立入禁止。
7:カルコテケ(青銅館)跡辺り
パルテノン神殿の修復用部材が置かれているらしい。
天井の浅い刳りのある格間が一対になったものが1単位となっているようだ。そういえば、『THE ACROPOLIS THROUGH ITS MUSEUM』の想像復元図にも、格間は2つ並んでいた。それには刳りはなかったけれど。
こちらはパルテノン神殿の遺物かな。大きな径のドラムは他にもあったが、ここでもどっしりと置かれている。少し離れて、色の異なる細い円柱が数本、横にしてあるのは、東西どちらかの内室のものだろう。
このあたりが6:アテナ・エルガネの神域かな。その前門(プロピュロン)はわからなかったが。


向こうの低い丘は「フィロパボスの丘」。
『地球の歩き方』は、フィロパボスとは、2世紀初め頃のローマの執政官で、彼はアテネのために尽くした人でもある。頂上には当時のアテネ市民が彼を記念して建てた墓碑があるという。
あの細長い建物のことらしい。

    アテネ、アクロポリス3 エレクテイオン神殿
             →アテネ、アクロポリス5 南麓のディオニシオス劇場

関連項目
ギリシア神殿11 格間天井に刳り形
ギリシア建築7 円形建造物(トロス)
アテネ、アクロポリス1 プロピュライア
アテネ、アクロポリス2 パルテノン神殿
アテネ、アクロポリス6 ヘロデス・アッティコスの音楽堂
アテネ、アクロポリス7 新アクロポリス美術館1
アテネ、アクロポリス8 新アクロポリス美術館2
アテネ、アクロポリス9 新アクロポリス美術館で夕食

※参考文献
「ギリシア美術紀行」 福部信敏 1987年 時事通信社
「地球の歩き方A24 ギリシアとエーゲ海の島々」 ダイヤモンド社
「世界歴史の旅 ギリシア」 周藤芳幸 2003年 山川出版社
「THE ACROPOLIS THROUGH ITS MUSEUM」 PANOS VALAVANIS 2013 KAPON EDITIONS