2011年7月21日木曜日

1-3 スルタンアフメット駅へ

狭い通りで八百屋が店を開いていた。スイカがある。旅行中に食べられるかな。
その内に開けた場所を通るようになった。そろそろトプカプ門から城壁内に入るのかな。

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城壁とはテオドシウスの城壁(Teodos Suru)と呼ばれているものだ。
『イスタンブール歴史散歩』は、城壁の大部分は5世紀前半、テオドシウスⅡ世の治世に築かれた。テオドシウスの城壁と呼ばれるゆえんである。413年に最初の一重の城壁が完成したが、これは447年の大地震で崩壊した。そのとき折悪しく、フン族のアッティラ大王が大軍を率いてコンスタンティノープルへと進撃しつつあった。ビザンティン帝国はこれに備え、総力をあげて崩壊した城壁を修理補強し、さらに外壁と濠を付け加えて、前よりはるかに堅固な城壁を造りあげた。二重の壁はみごとにアッティラの軍からこの都を救ったという。

そんな城壁も1453年にメフメットⅡ率いるオスマン軍に破壊され、コンスタンティノープルは陥落した。ビザンティン時代は聖ロマノスの門と呼ばれていたが、現在ではトプカプ門と呼ばれている。
トプカプ門(Top Kapisi)は、トプは大砲、カプは門、トプカプとは「大砲の門」の意である。コンスタンティノープル攻めに際して、メフメットⅡ世はハンガリー人技師ウルバンに造らせた巨大な大砲をこの門の前に据え、自らもここに天幕を張って露営し、猛攻撃をかけたという。
トプカプから先はコンスタンティノープルの攻防戦で最も戦闘の激しかった場所だけに、城壁の損壊も著しい
という。

砲撃に耐えた城壁をカメラに収めようとしたが、左側を撮るのが精一杯。もっとゆっくり走ってほしかった。通勤客はもっと早くと思っていただろうが。
テオドシウスの城壁についてはこちら 
城壁内に入って最初の駅、パザルテッケ(Pazartekke)でだいぶ客が降りて立っているのも楽になってきた。
郊外から市街地に入り、駅の間隔が狭くなった。商店やモスクがどんどん窓を通りすぎていった。
ユスフパシャ(Yusufpasa)駅を過ぎて見えたのはムラトパシャ・ジャミイ(Muratpasa Camii)。1466年建立という、オスマン朝では初期のモスク(比較建築研究会の第4章 初期オスマン朝の建築より)
この頃には左側に坐ることができた。
運が良かったのか、左側には次々とモスク(トルコ語でジャミイ)が見えてくる。

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続いてヴァリデスルタン・ジャミイ(Valide Sultan Camii)、すぐにアクサライ(Aksaray)駅。
ちょっと離れてスルタン・ムスタファ・テュルベス(Sultan Mustafa Turbeci)、スルタンの霊廟だがムスタファというスルタンは4人もいる。どのムスタファ帝の墓廟だろう。
すぐそばにラーレリ・ジャミイ(Laleli Camii)。
『イスタンブール歴史散歩』は、高いテラスの上に立っているのが、ターキッシュ・バロックの最高傑作と言われるラーレリ・モスクである。建立は1757-63年、ムスタファⅢという。
ということは、そのすぐ近くにあった墓廟はムスタファⅢのものだろう。
トルコ風だが新しそうな建物群。
ファーティフ・ベヤズィド・ジャミイ(Fatih Beyasid Camii)もちらっと見えた。
ファーティフは征服者という意味でコンスタンティノープルを陥落したメフメットⅡのことだと思っていた。ベヤズィットはその子で在位1481-512年(Wikipediaより)
その先の駅はベヤズィット-カパルチャルシュ(beyazit-Kapalicarsi)、ベヤズィット・モスクとグランドバザールの名を連ねた駅名だ。

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一つ手前のゼンベルリタシュ(Cemberlitas)駅を過ぎて昇降口の前に立った。
そうそうトラムヴァイは駅名のアナウンスがある。Sultanahmetというアナウンスを確かめてベルを押した。
無事スルタンアフメット(Sultanahmet)駅で下車、7時57分。8時頃に着けたらいいかなと思っていたのでまずまずの滑り出しだ。
16年振りにイスタンブールの旧市街地区に降り立って感じたのは、あれこんなに通りがせまかったかなということだった。
そして建物が新しい。16年前はこの辺りに古いロカンタ(暖められた料理が並んでいて、目で見て選べる食堂)が並んでいたのに。

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公園の向こうにスルタンアフメット・ジャミイ(Sultanahmet Camii 通称ブルーモスク)の6本のミナレットが見えた。
何故8時かというと、スルタンアフメット・ジャミイの見学開始時間が「随時」というものと、「9時から」というものがあった。もし8時から入れたら後の行程が楽になるからだ。
公園でグレーと黒のカラスを見つけた。
※参考サイト
比較建築研究会第4章 初期オスマン朝の建築

※参考文献
「イスタンブール歴史散歩」(渋沢幸子・池澤夏樹 1994年 新潮社)