2015年10月19日月曜日

チャシュマ・アユーブ廟2 それぞれ別の天井


チャシュマ・アユーブ廟は建物の中心線にドームが並んでいる。
正面からは、最初の丸いドームと、一番奥の円錐形のドームしか見えない。

扉口右上の黄色いプレートには、ブハラの水供給の博物館と記されている。
最初の部屋には、この地で使われてきた陶器や金属製の壺、水差しなどが陳列されている。
左手にはサルドバと呼ばれる屋根の付いた貯水槽の模型。水の貴重な地方の、雨水を貯め、それを少しでも蒸発させない工夫。
四方に開口部があって、この人物はそこから汲んだ水を入れた革袋を担いでいる。
実際に使われた革袋の展示もあった。

モスクかメドレセの中庭に造られていたサルドバとその構造の図解だが、説明の文字がその一部を隠している。
ブハラ州にはこんなにたくさんのサルドバがあった。
ブハラに近づいて来た頃、バスの中でガイドのマリカさんが言っていたのを思い出した。3年前まではこんなに農地はなかったですと。
ブハラ郊外にあったサルドバ。長方形13-15m、深さ12-13m。
旧ソ連時代にアムダリアから水路を引いて砂漠を綿畑にしたので、用がなくなってしまった。
そのおかげでアラル海はほぼ消滅。

さて上を見上げると最初のドームは、四方の尖頭アーチから8点星、円形と移行している。頂部は開口部ではなく照明。
尖頭のリュネットには尖頭アーチの明かり取りがあり、そこから次室のドームが見える。
次室のドームは、外から見ると明かり取りの円筒部だけ他より高くなったものだった。
やはり四方の尖頭アーチから導かれているが、このアーチ・ネットは全くの装飾。6つの丸太の端が、その構造の何かを物語っているかも。
このドームの次の空間には花のような小さなドームが。
菊の花のよう。これってムカルナス?アーチ・ネット?

その下には井戸がある。
『シルクロード建築考』は、16世紀に成ったという中央部分の円蓋の下は、聖水の湧出する丸い井戸であるという文そのままだった。
井戸の手前に水を貯めた金属の容器があり、上のカラフルなコップで蛇口から水を汲んで飲める。
それよりも、奥の墓室が気になるが、ホジャらしき人がずっと椅子に座っているので、撮りにくいなあ。どんつきに見えているグレーの部分がミフラーブで、外から見ると出っ張っていたところ。
井戸くらいは写しても罰は当たらないだろう。
続いて上の扉状のものも・・・ピンボケ。罰が当たったかな。
その下にはアラビア文字の銘文が。
銘文は浮彫タイルだが、サマルカンドで見てきたものとはだいぶ違う。いつ頃のものだろう。




※参考文献
「東京美術選書32 シルクロード建築考」 岡野忠幸 1983年 東京美術