2025年4月11日金曜日

カドキョイ kadıkyoi


本日はイスタンブールのアジアサイドへ。
今日は自由行動の日で、一日中歩き回ることになるのでしっかりと朝食をとる。

そしてトラムヴァイT1号線でガラタ橋手前のエミノニュまで。こんなにすいているトラムに乗ったのは初めて。




イスタンブール地図 Google Earth より
❶シルケジ駅 ❷エミノニュフェリー乗り場 ❸ガラタ橋 ❹トプカプ宮殿 ❺ボスポラス第一大橋 ❻チャルムジャ塔 ❼ハイダルパシャ駅 ❽カドキョイフェリー乗り場


❷エミノニュ Eminönü からカドキョイ行きのフェリーに乗る。各方面のフェリー乗り場は別々にある。会社別になっているのかも。

8時35分発のフェリーに乗れそう。イスタンブール・カードが使えて便利。


❸金閣湾(ハリーチ Haliç)側
ガラタ橋は船が通るので跳ね橋になっているが、低い船はそのままくぐっていく。


❹旧市街の突端にはトプカプ宮殿。隣の船着場はブルサ Bursa 行きのフェリー乗り場だった。鉄道や長距離バスよりも早く行けるらしい。いつかここからブルサを再訪しよう。

一番端の第四の中庭バーダット・キョシュキュやイフタリエ、レワン・キョシュキュそして高いドームの聖遺物室が一番よく見えるのは、エミノニュのフェリーからかも。


船が動き出した。ボスポラス海峡と❺第一大橋(と日本人は呼ぶが、トルコでは7月15日殉教者の橋 15 Temmuz Şehitler Köprüsü)というそう。
マルマラ海はボスポラス海峡とチャナッカレ(ダーダネルス)海峡に挟まれているので、海が荒れることはないという。

アジアサイドはユシキュダルの❻チャルムジャ塔が見えてきた。この下をマルマライと呼ばれる地下鉄が通っている。
海の表面は穏やかでも、海中は潮の流れが複雑で、マルマライのトンネル工事は困難を極めたことを、後にNHKの「新プロジェクトX」で知った。


10分もすると修復中の❼ハイダルパシャ駅の前までやってきた。オリエント急行の時代、ヨーロッパ側の旧市街にある❶シルケジ駅からアジア側のこの駅までは船で行き来していた。


その少し先に❽カドキョイの船着場があって、あっけなく着いた。 


上陸後、カドキョイの中心部へと向かうと、

Mのマークは地下鉄M4号線のカドキョイ駅。シルケジ駅から海底トンネルでユシキュダル駅を結ぶマルマライとは連絡していない。 



カドキョイ・イド Kadıköy İdo 電停
街中へ入る前のファイク・ソズデネル大佐通り Albay Faik Sözdener Cd.に一両編成の小さな電車が停まっていた。T3というイスタンブールの公共交通機関なのでイスタンブール・カードが使える。

カドキョイ中心部地図 Google Earth より
新・トルコで私も考えた2020』は、観光客が少なく、古き良きイスタンブールが残っていると言われています。モダ地区はその中心地でトラムが走っていますという。


私も乗ってみた。トラムは単線なので時計回りの一方通行でソーユトル・チェシュメ通り Söğütlü Çeşme Cd. へ入っていった。

観光客よりも地元の人たちの足になっていて、次々と乗っては降りていく。


バハリエ通り Bahariye Cd.はあまり広い通りではなかった。しばらくしてキリセ Kilise 電停の前にあるアヤトリアダギリシャ正教教会 Aya Triada Rum Ortodoks Kilisesi が見えてきた。


後陣は東側にあるので通りに面している。細い窓は中から見たらどんなだろう。でもイコノスタシス(障壁)で仕切られて内陣の中は見えないし、聖職者でもない限り入れない。


あっ、八百屋。旧市街の観光地では見かけなかったので、こんなお店があると嬉しい。


アスィム・ギュンデズ大佐通りGen. Asım Gündüz Cd. に名前が変わり、丸いメフメット・アイヴァルタシュ広場 Mehmet Ayvalıtaş Meydanı の周りを半周して、

シャイル・ネフィ通り Şair Nefi Sk. へ。
細いアーアベイ通りに Ağabey Sk. は二階に出窓のあるオスマン様式の建物が。旧市街はリノベーションした新しいホテルが多いが、色が鮮やかすぎるので、こんなしっとりとした家並みを見るとほっとする。

電車道にはおしゃれな木造の建物も。住宅かと思ったら、 Rita Deli というハンバーガーショップで意外。


更にもっと狭いジェム通り Cem Sk. へ。

通り過ぎて写した教会は何とフランス・カトリック教会 Fransız Katolik Kilisesi、被昇天教会 Eglise De L'Assomption とも呼ばれているようだ。何故かモスクよりもキリスト教会の多いこの地区。

色調の柔らかい建物が多い。変わらないでいてほしい。



いつの間にか乗客は減っていた。一列に一人掛けの座席が一つずつという小さな電車。

海沿いのミュヒュダル通り Mühürdar へ。


同じカドキョイ・イド電停で降りてムヴァックトハネ通り Muvakkıthane Cd. へ。


地図 Google Earth より
❶カドキョイフェリー乗り場 ❷バスターミナル ❸ドルムシュ乗り場 ❹ハジ・ベキル ❺ Surp Takavor Ermeni Kilisesi


1777年創業のロクムの老舗ハジ・ベキル Ali Muhiddin Haci Bekir へ。
ウラマダン(断食月、トルコではラマザン)中だったので、ショーウインドはラマダン明けのシェケルバイラム(砂糖祭 Seker Bayramı)用の飾り。

色んな種類のロクムがあった。包んでもらう間に写させてもらった。
ナッツ類が入ったもの、フルーツの果汁が入ったものなど種類も豊富。

ロクムはいつもヘーゼルババ Hazer Baba のものを買っていたので、小さな立方体のお菓子だと思っていたら、こんなのもあるんだと買った後で気付く。

で、いろいろと小さな箱に詰め合わせてもらった。今どきの縁の広い(中身は少ない)箱と違って薄い紙の箱にぎっしり。包み方も素朴で気に入った。


近くのお店もシェケルバイラム用の飾り付け。

可愛い建物も


❺スルプタカヴォル・アルメニア教会 Surp Takavor Ermeni Kilisesi
その先に一休みできるくらいの石が幾つか並んだ広場?があって、斜め右角は教会のようだった。
木製の鐘楼は見覚えがある。イランのイスファハンで見学したヴァーンク教会にあった鐘楼に似ているのでアルメニア正教の教会だと分かった。


通りを直進して次のギュネスュリバフチェ通り Güneşli Bahçe Sok. を右折すると間もなくオレンジ色の小さな店がある。巣密で有名な店だ。

❻エタバル Etabal

店先に出ているケースにはヨーグルトを入れたカップが並んでいたので、


黄色い方を一つ所望すると、何段にも重ねた巣密から滴り落ちた蜂蜜をたっぷりと掛けてくれた。


トルコはヨーグルト yoğurt(ヨーウルト)も濃厚。


お洒落な店内



その南方にある❼チヤ・ソフラス Çiya Sofrası はガイドブックでも、高橋由佳利氏の『新・トルコで私も考えた2020』でも大絶賛のレストランだが、昼食には早すぎたので、通りや、

店舗をあれこれ撮影してカドキョイの観光終了。
スパイスやドライハーブなどを扱うお店や、

八百屋に、

魚屋など。ちなみにこのお店の名は「海釣り」


新・トルコで私も考えた2020』によると、トラムの線路の内側には、この辺りがレストラン街で、他にも骨董街や雑貨街、カフェ街があるそうで、半周したあたりの静かな緑の多い街角でトラムを降りると、緑と古い街並、魚のレストラン街、おしゃれなカフェなどかあり、まるで映画の中にいるようだそう。

しかし私にはユシキュダルと新市街のモスク巡りが遺っているので、ユシキュダルでお昼を食べることにして、❸ドルムシュ乗り場へ。イスタンブールのドルムシュは黄色で目立つので乗り場はすぐに分かった。10人乗くらいの乗り物である(写真を撮り忘れた)。
『トルコで私も考えた①』のおかげで、ドルムシュ Dolmuş とはトルコ語で「いっぱいに(満杯に)なった」という意味で、客で満席になると出発する。決められたルートの途中の好きな所で乗り降りが出来るという知識はあったので、一度乗ってみたいと思っていたが今まで機会がなかった。

カドキョイとユシキュダルというアジアサイドでは大きな街を結んでいるので、ドルムシュは頻繁に発車すると予想して乗ったのだが、私が乗って少しして出発した。途中で乗り降りしながら森の傍を走っているカラチャアフメト墓地 Karacaahmet Mezarlığı だった。

終点のユシキュダルまで乗るつもりだったが、ユシキュダルの街との境かな。ひょっとすると次に行く予定のアティクヴァリデジャーミイに近いバス停、ソコルルメフメトパシャ小学校 Sokullu Mehmet Paşa İlkokulu の前を通るかもと期待してその名をカタカナトルコ語で言ってみた。
すると周りのトルコ人たちに通じたらしく、親切にあれこれ言ってくれたがトルコ語は分からない。すると後方のおっちゃんが「英語は分かるか?」
「はい」(ホンマか)
「次の交差点で降りて右へ。次の大きな交差点を右折してミニバスに乗りなさい」と言って、運転手に次の交差点で停まるように言ってくれた。ドルムシュはどこでも停まってくれるのが良いところ。ツアーでは味わえない、地元の人たちの親切に巡り会えた。




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参考文献
「新・トルコで私も考えた2020」 高橋由佳利 2020年 集英社
「トルコで私も考えた①」 高橋由佳利 1996年 集英社