2025年9月26日金曜日

チョルム博物館 ヘレニズム時代・ガラティア時代・ローマ時代


チョルム博物館の展示品はÇORUM MÜZESİ(博物館内外の360°映像)で見ることがぶきますが、私が見学した時とは展示品が異なるものもあります。
その次の展示ケースはヘレニズム時代(前330-30)とガラティア時代(前330-30)

ヘレニズム時代について説明パネルは、前4世紀末、マケドニア王アレクサンダー大王がアナトリアにおけるペルシャの支配を終わらせ、ヘレニズム時代が始まりましたという。
馬の頭部はリュトンの一部でもなさそう。双耳の容器・細い水差し・深鉢などと共に深い碗を伏せたようなものがあるが、上向きに立てられないからだろうか。

ヘレニズム時代とガラティア人の土器類(中央より右)
ガラティアについて説明パネルは、ガラティア人はヨーロッパからアナトリアに移住した最後の部族。インド・ヨーロッパ語族の一つであるケルト人は、前278年に三つの大きな部族としてアナトリアに押し寄せ、ハリュス川に定住したという。
ガラティア人についてはケルト系だったことは知っていたが、ヨーロッパに留まったケルト人とは工芸品に繋がりはなさそう。
深鉢以外は小さなものが多いが、ここにも高台のない伏せたボウル状の器が幾つか。


突き当たりの展示ケース
頭部が欠けたライオン像、ヘラクレスのステラ stela 、青銅製蜷局を巻く蛇

続いて石造の鷲、名称不明のステラ


青銅製のブッラ(衣服を留めるもの)や水差しに、ずんぐりしたアンフォラ型の双耳の土器類



この階の展示はイオニア式柱頭をいただいた黒い円柱で終わり(撮影は上階から)、


行き止まりとなっていたのでぐるりと回って階段を半階上がったところもローマ時代(前30-395年頃)の展示コーナーになっていた。


ローマ時代の土製オイルランプ。中央の青銅製三脚の台は燭台?この時代に蝋燭はあったのかな?

青銅鏡
説明パネルは、ローマ人は金属に光沢を与える技術を用いて鏡を製作した。このタイプの鏡は主に女性の墓で発見されているという。


オリーブのディアデム 金箔
南イタリア、ターラント博物館では時代不詳(といっても紀元前だろう)のオリーブのディアデムは葉の先を繋いでいたし、マケドニア、カッサンドレイアの墓出土のオリーブの花冠(前3-前2世紀)は丸みのある茎で葉や実がしっかりと繋がれていたが、

厚手の金箔(確かコアガラス作家からデジタルクリエーターになられた田上惠美子氏に澄 ずみ と教えてもらった)の茎と葉をやはり澄で繋いでいて、すぐに切れてしまいそう。

ほぼドングリ形で、ターラント博物館で展示されていた金の首飾り(前4世紀後半)に似ている。

金と貴石や蜻蛉玉を組み合わせたものも。


上部中央はヘルメス像
説明パネルは、翼のあるサンダルを履き、頭飾りをつけ、王笏と財布を持つ。ヘルメスは街道、旅人、商人、そして商業を守護する。死者の魂を冥界、ハデスへと導く。
ゼウスが送った眠りと夢を人間に伝えるのがヘルメスの使命であるという。
下の像はヘラクレス


そしてローマンガラスのコーナー


型吹きガラスの製法 説明パネルより
a) 鉄を溶融ガラスに浸す。
b) 棒を回転させることにより、溶融ガラスが先端に集まる。
c) 棒をるつぼから外し、回転させながらガラス塊内の空気の塊に空気を吹き込む。
d) 吹き続けながら棒を回転させることで、ガラス球が膨らみ、大きくなる。
e) ガラスを鋳型に挿入し、吹き込むことで成形する。
f) ガラスを鋳型から取り出し、冷却する。
g) 首を切断し、縁を滑らかにする。

型吹きガラスだけ?宙吹きガラスはないのかな?


コアガラスもありました。
このような波状文のある容器のつくりかたはこちら

蜻蛉玉を繋いだネックレスやブレスレットにゲーム・ピース?など。

指輪や腕輪、蜻蛉玉のネックレスも


多分バラバラで出土するのだろう。

それぞれの玉が貴重なものだったはずなので、当時の人は形を揃えるとか、配列を考えるとかしなかったのかな。



その後ホテルへ。
部屋から博物館やチョルムを囲む緩やかな丘陵が見えた。


夕食もホテルのレストランだったので移動が楽だった。
メゼ(前菜)と何故か最初から出ているデザートのバクラヴァ(中央)

メインは鶏肉、焼き野菜にピラウ
ヨーロッパで鶏肉と言えば骨付きで出てくるのが普通だが、トルコでは切り身になっていて食べ易いが、巨大なのが4枚くらいあるので、完食は難しい。



関連記事

参考サイト
チョルム博物館内は3DVista Player v:0.1033によるÇORUM MÜZESİ(博物館内外の360°映像)


参考文献