臨済宗大本山東福寺は京都の中心から離れているため、長い間行くことがなかった。久々に出かけてみると、境内の中を通り過ぎていく車、自転車、人。中には犬を散歩させている人やトレーニングをしている人も。そんな風に東福寺の境内が日々の暮らしの場になっているのを見ていると、近隣に住む人々がうらやましくなってしまう。
東福寺の境内には多くの塔頭がある。南の方にあるのが雪舟寺、日下門から中門への通路の南側にあり、正式な名称は芬陀院という。
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しかし、庭の主役よりも、縁側、磚敷きの基壇、軒から落ちる水滴を受ける石(名称は知らない)、そして枯山水の庭で水の流れを表すという箒目(これも正式な名称を知らない)がまっすぐな白砂という、直線の重なりに目が向いてしまう。
朝掃き清めて間もない整然とした白砂、と思って見ていたが、動物が通った跡があった。何が通ったのか、かすかに乱れているのも景色のひとつ。イタチのような野生動物だったらいいのにな。
いつも枝葉にばかり目がそれてしまうが、何故雪舟寺かというと、同寺の栞によると、寬正年間、雪舟は京に上り、芬陀院に寄寓していたそうで、請われて築造したのがこの庭園だかららしい。
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お寺の栞によると、現存の建物は何度も火災にあい、18世紀後半に桃園天皇の皇后恭礼門院の御所の一棟を下賜されて移築、更に明治32(1899)年に改築したものということなので、古い茶室ではなさそうだ。
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