前夜は遅くまで荷造りしても、5時には目が覚めるだろうと思っていたのに、5時半に目覚ましが鳴るまでぐっすり眠ってしまったため、最後の朝散歩に慌てて出かけた。
ホテルから最寄りの㊴サンナゼール塔門(Tour-porte Saint-Nazaire)の上部に朝日が当たっているため、下部は見えにくい写真となった。
その向かいの61:サンナゼール聖堂も薄暗い。
塔門を出て外周壁の⑭クレマド堡塁(Barbacane Crémade)脇の階段から外へ。
今朝は少し雲があるが、その雲が朝日に染まって、反ってピレネー山脈がくっきりと見えていた。
形の良い山だが名前は不明。
クレマド堡塁は中には入れない。
外周壁の⑭クレマド堡塁から⑮コティエール塔(Tour Cautière)と、内周壁の㊴サンナゼール塔門(Tour-porte Saint-Nazaire)、㊵サンマルタン塔(Tour Saint-Martin)、㊶営倉塔(Tour des Prisons)、㊷カステラ塔(Tour de Castéra)など
シルエット
最後の朝にまた野の花を見ることができた。
マツムシソウ、バックはマンテマ
そして門から戻って⑭クレマド堡塁の隙間から山を眺める。
少しでも高いところの方が山もよく見える。先ほどの形の良い山よりも東方にもピレネー山脈は続いていた。ピレネーの最も地中海に近い峰がカニグー山という。
これがピレネー山脈最東端のカニグー山(Mont Canigou、2785m)?
あの、サンマルタン・デュ・カニグー(Saint-Martin du Canigou)修道院がある?
19年にその修道院も訪れる良いツアーがあったのに、逃してしまった。何時か是非行きたいところである。
先ほどの形の良い山
ずっと続いている。
朝食のため一度ホテルに戻る。
昨日とは違った方向から撮影。
紐で繋いだ干し無花果。こんなのがマルシェに並んでいたら買ったのに。
奥に暖炉
のんびりとチーズを楽しんで食べたため、1時間もかかってしまった。
昨日は気付かなかった卵料理とキノコのソテも。
Saecoのコーヒーメーカーに左のエスプレッソ用のカプセル?を入れ、エスプレッソは出てきたが、故障でミルクが出ず、冷たい牛乳を入れたら冷めたカフェオレに🤢
出発まで再び散歩。まだ通っていないカルカス通り(Rue Dame Carcas)へ。
塀からはみ出した木のところから振り返るとサンナゼール聖堂の後陣が見えた。
しかし、その先で通りは左に曲がっており、サンルイ通り(R.Saint-Louis)に出てしまった。
プロ通り(R.du Plô)からトランカヴェル子爵通り(R.du Vicomte Trancavel)へ。
緑の多い通りだ。
マンホールは外に四角い枠がある。なにを表しているのだろう。
少し進んで警察の門から振り返ると、監視塔が見えた。㊶営倉塔(Tour des Prisons)かな。
すぐそこがT字路で、小さな井戸通り(R.du Petit Puits)へ。
一階が不ぞろいな尖頭アーチが3つ並ぶ建物は、上階の軒を持送る二段の石が建物の角にある。手前の左の壁にもあるけれど。
その角まで来ると、ホテルのようだった。
そのまま小さな井戸通りを行く。
よく見かけたが、ここでも軒に丸瓦を上下反対に付けて通りに突き出している。
プロ通りに入ってマルク広場(Place Marcou)からお城広場(Pl.du Château)へ。その正面にはコンタル城の門(Château Comtal)。
お城広場から
クロ・メイルヴィエイユ通り(R.Cros Mayrevieille)へ。朝は静かな中世の町並み。
やがて⑳㉑ナルボンヌ門(Porte Narbonnaise)へ。
門を出たところが①サンルイ堡塁(Barbacane Saint-Louis)
右向こうの門から出てみる。
午後は銀色に見えた円錐屋根だが、朝の光で別の色に見える。
内周壁の監視塔を右から、㊽トロケの塔(Tour du Trauquet) ㊼トロケ(Trauquet) ㊻サンローランの塔(Tour Saint-Laurent) ㊺ダヴジャンの塔(Tour de Davejean) 外周壁の監視塔は右から⑲ペイルの塔(Tour de la Peyre) ⑱ヴァドの塔(Tour de la Vade)
外周壁の⑱ヴァドの塔、内周壁の㊹バルタザール塔はレンガ造のヒレ状のものがついている。
⑱ヴァドの塔
ここで外周壁は外に張り出し、⑰東の望楼(Échauguette de l’Ést)と⑯プレト塔(Tour Pouléto)
⑮コティエール塔(Tour Cautière)が現れたところで、ピレネー山脈もまた見えてきた。
ピレネーは一度の造山運動でできた山脈なので、アルプスのように切れたり分かれたりせず、地中海から大西洋まで繋がっている連山だという。その様子がピク・デュ・ミディ天文台から眺められるらしい。
⑭クレマド堡塁(Barbacane Crémade)脇の門からシテに入って行くのだが、
まだ時間があるのでその先へ行ってみると、
外周壁の⑬ウルリアク塔(Tour d’Ourliac)と内周壁の㊲ミパドル塔(Tour Mipadre)・㊳南の風車の塔(Tour du Moulin du Midi)が現れた。
外周壁の⑫大ビュルラ塔(Tour du Grand Burlas)で周壁の向きが変わる。
この付近の壁面にはローマ(ガロ・ロマン)時代の赤レンガの層が破壊されたらしく、積み直した壁のあちこちに砕けたレンガ片が埋め込まれている。
⑫大ビュルラ塔を回り込んだところで通行止め。
外周壁の⑪大カニス塔(Tour du Grand Canissou)と内周壁の㊱カユザク塔(Tour de Cahuzac)
⑭クレマド堡塁脇の門からシテに戻り、プロ通りを通っていくと小さな井戸広場へ。
この広場また来たのは、この小さな井戸と、
小さな井戸通りへ入り、トランカヴェル子爵通りに突き当たった。
左の狭い道はロジェ伯爵通り(R.Comte Roger)があって塔の屋根が見えた。
上写真の左の建物。一階の扉は閉じているが、上の装飾はルネサンス期のものかな。
二階は垂木のように木材を張り出して出っ張らせているが、二階と三階の間の仕切りはどんな役目があるのだろう?横木はただの装飾みたい。
続きの建物にもルネサンス期の扉口があり、植物文様の装飾のがあり、扉は開いていた。
その装飾には植物文様と鳥が。
その上のルネサンス期の十字窓も同じような装飾。
窓
短い通りから出てくると、向こうにオード門(Porte d’Aude)が見えた。
オード門から外を眺めて、
周壁沿いのホテルへの近道へ。
ホテルの従業員かな?
そして陽の当たるホテル、オテル・ド・ラ・シテに戻った。
遂にカルカソンヌを出発。
集落のあるところには教会もある。
トゥールーズの空港に到着してからお花畑発見。
出国手続きの後搭乗口へ。
あ、こんなところにもポストがあった。昨日は慌ててカルカソンヌで出してしまったが、トゥールーズでは書く時間がなかったので、最後の絵葉書はここで投函すればよかった。
ふと窓の外を眺めるとピレネー山脈が。カルカソンヌよりもトゥールーズの方がピレネーに近いのだった。気付かなかったのは日が暮れてから到着したのと、市街地からは建物が邪魔して見えなかったから。
食事はパリを出発して機内で夕刻にしか出ないので、国内線で軽く食べておこう。
3種類のチーズのキッシュ(一切れが巨大で分厚い、5.7€)を購入
後はピレネーを眺めて搭乗を待つ。
ガラス越しなのでよくは写らなかった。
機内で飲み物が出たときを見計らってチーズのキッシュをモリモリ
パリのシャルル・ド・ゴール空港に着いたら係員が少なく、その上急がせられた。待ち時間はたっぷりあるのにと思っていると、我々の背後で封鎖。
持ち主不明の荷物があるとのことで爆弾処理班が向かって行った。30分以上持ち主が現れない荷物があると、爆破することになっているという。
その後は到着時の安全検査をすることなく搭乗口へ。たどり着くまでにはタックスフリーの店舗が並んでいるが、ブランド店はあまりなかった。「寂しくなったわね」という声も。
酒類やお菓子、チーズの店はあるのだが、どこも同じようなものばかり。
マカロンのLADURÉE(ラデュレ)のワゴンも幾つかあった。同じ店があちこちにあるだけで、バラエティに欠ける。
フランス最後のアイスクリームが食べたいと歩き回るが見つからない。イタリアなら軽食のお店やジェラート屋など、食べるところに困らないのに😒
仕方なくスターバックスで最後のエスプレッソを飲んだ。人々が同じ方向を向いているのは、サッカーの試合が大画面で放映されているから。
後は離発着を眺めてヒマつぶし。
やっと機内へ。エールフランスは離陸前に流れるシートベルト着用のビデオもおしゃれ。
機内でアニェス・ヴァルダ(Agnès Varda)の「Visages Villages(邦題は「顔たち、ところどころ」、原題は「顔々、村々)」を観る。それから1年もたたないうちに、彼女は亡くなってしまった。
カルカソンヌ サンルイ地区←
関連項目
カルカソンヌ 朝散歩1
カルカソンヌ 西の周壁巡り
参考文献
コンタル城のリーフレット(日本語版)
「LA CITÉ DE CARCASSONNE」 François de Lannoy 2008 Éditions du patrimoine Centre des monuments nationaux