お知らせ

イスタンブールでミマールスィナンの造ったモスクを見ていて、その前はどんな形のモスクだったかが気になって、オスマン帝国の古都を旅してきました。最後にはまたイスタンブールを訪ねます。 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2018年12月17日月曜日

コンク サントフォワ聖堂日中のトリビューン


午後のトリビューンのガイドツアー(Visite guidée)は16時30分から45分間。4.5€は昨日観光案内所でアンヌさんに支払っていた。
集合場所はサントフォワ修道院聖堂近くのジョゼフ・フォー美術館(Musée Joseph-Fau)前、今回のガイドさんはアンヌさんとは別の女性だった。

すぐに西ファサードへ。ほぼ直射日光を浴びているが、タンパンだけは深い半円の庇のせいで半分以上は陰になっている。
これだけ明るいと上の方もはっきりと写る。北鐘楼上部の扶壁の間の二連窓。それを支えるふと短い円柱も柱頭も黒い石(一部は赤い)。ざっくりとした葉文様。
同じく南の二連窓。残されたスケッチから19世紀の修復。
その上の二連窓と屋根も19世紀の修復。
この円窓は以前からあった。六重の弧(これが壁面の厚みの半分)で装飾され、そのうち3つに石畳文やロゼッタ文などの文様が浮彫されている。
これだけ強烈に日が射すと浮彫の微妙な凹凸や彩色がよく見えるが、キリストはまだ闇の中。

今回は午前中にアンヌさんと階上廊を巡った写真と合わせてまとめました。
階上廊(トリビューン)へは西扉口から入って北側廊の狭い階段から上がって、ラテン十字型の身廊と翼廊、後陣と巡り、南側廊側の階段から下りていく。
日中は教会内は自由に入ることが出来るが、階上廊への階段は鎖がかけてあるので、ガイド付きツアーでないと上がれない。

聖堂内に入って身廊方向 午後
交差部の大天使ガブリエルとミカエル 午後

北側廊の階段を上っていく。側廊の柱頭も意図せずに写っていた 午前
階段を上がった小さな部屋のアーチから振り返ると、北側廊の横断アーチを支える柱頭が目の高さに続いている。大きなアカンサスの葉がみごと。

昨夜は説明はなく、鳴り響くパイプオルガンと、それによってかわる照明の中で階上廊を写していったが、あまりよくは写らなかった。それについてはこちら
今回はできるだけ柱頭彫刻を撮影しようと心掛けたので、二連窓の写真はは少ない。柱頭については後に詳しく

身廊側 
二連窓の両側にある付け柱の柱頭も愉快
昨夜と比べて明るいが、それでも撮影には少し暗い 午前

③通路側の辺りから眺めた階上廊
ロマネスク様式の建物は窓が小さいので、窓際の北階上廊でも期待したほど明るくはない 午前

⑤通路側の柱頭と、柱間の1/4ヴォールト天井 午前
身廊側から見上げたの柱間
わずかに⑤の角に天使が表されて、上画像と同じものだとわかる 午前

北翼廊北壁
⑨通路側 午前
昨夜はわかりにくかった壁面の付け柱もよく見えている
⑩北翼廊側 午後
北翼廊北壁の通路が一段高くなつていて、昨夜つまずきそうになったことを思い出した。
北壁のステンドグラス 午後
午前の方が明るかった。

北翼廊の通路 午後
手製の手すりは細いし、柱間と言えばロープだけ👀こんなところを足元がよく見えない時に歩いてよく恐くなかったこと😓
⑪北翼廊側 午後
地上階の小後陣が少し見えている
北翼廊側 午後
北翼廊東側通路から西側通路 午後
右の窓は光が入りすぎて、小さな階段から外に行けそうに思えてくる。
北側通路から写真を撮る人々 午後
私も写しました。
北翼廊通路から南翼廊方向 午後
午前の方が明るかった。

交差部の東側の柱頭は葉文様で彩色が残っていること、西側の柱頭には巻物を持った天使たちがいる 午後
そして、南東トロンプ(スキンチ)には大天使ミカエル、南西には聖パウロの首が。どっちもオリジナル?
階上廊の通路の下にはキリストの磔刑像があるが、創建時のオリジナルとは思えない 午後

北翼廊の東通路から後陣へ
の柱間 午後
ここも午前に見た方が明るかった。
から交差部 午後
上部ばかり見上げていては気付かない柱の高さ
北翼廊側 午前

⑬から交差部を見上げる 午後
交差部に載る八角形のクーポール(円蓋)の細部と窓 午後

後陣の通路へ。型枠の板の跡が残る1/4ヴォールト天井 午前

の開口部から見えた内陣上部 午後
そして内陣と周歩廊を見下ろす 午後
⑮から 午後

通路側 午前
通路側 午後
光があたらずやや暗い。

⑮中央開口部から身廊 午前
階上廊のパイプオルガン側は窓があっても暗い。

南階上廊東通路から 午後
南側は午後でも明るい。
から 午後

南翼廊と南身廊の角 午後
の通路側との内陣側、そして北側の窓が見えている。

南翼廊南側通路より写真を写す人
その肢の下には人間や鳥のモディヨン(軒下飾り)
軒には葉綱の間に人頭があるみたい。詳しくは後日

通路側から

私も南翼廊通路に立って交差部を写す。
北東に大天使ガブリエル、北西に聖ペトロの頭部
南翼廊より北翼廊 午前
昼間でも受胎告知像が照明されていた。その両側のステンドグラスは左右対称ではない 午後

南翼廊のステンドグラスには光が当たっている
32とは何の数字?
西通路側より東側の⑱⑲

南翼廊南通路より西通路側が見えている 午後

見下ろすと、内陣南側の⑲小後陣の柵の前で供えられた蝋燭 午後 
もう一つの⑳小後陣 午前

南翼廊南壁 午後
西通路側 午前
夜のトリビューンは照明の色と陰影で幻想的だが、日中の方が中庭が表されているかがよくわかる。

西通路側 午前
午後

南身廊の通路へ
北階上廊のステンドグラス 午後

南通路側 午前
左柱頭には怪鳥、頂板には花と天使
中央の柱頭は装飾的なアカンサスの葉、柱頭は市松文様
右柱頭には楯と剣で闘う戦士

㉗と㉘の間の複合柱には、基盤を支えているような、そこから出ようとしているような人物が 午後

㉘南通路側 午前
左柱頭は組紐文にアカンサスの葉が入り込む、頂板には天使と動物の胸像
中央には向かい合う怪鳥まはた怪獣、頂板にはパルメット唐草

通路の仕切り。この部屋にかつてアーチを支えていた柱頭が幾つか並んでいる 午後
ここのステンドグラスも素晴らしい 午後
ステンドグラスについては後日

ちょっと降りてパイプオルガンパイプオルガンのある部屋へ 午後
皆さんが写しているのは
身廊と内陣。こんなに明るく見えたのは初めて 午後
内陣上部 午後
中段を通ってきた。内陣よりも周歩廊の窓側の柱頭が創建時のオリジナルらしい。
身廊南階上廊 午後
二連窓に3箇所、横断アーチを支える付け柱には1つ、付け柱が2本の場合は2つ柱頭がついている。これだけ明るくても、腕が悪いとピンボケ。
㉙の二連窓の下に人頭があるのもロマネスクっぽい。
側廊。奥に周歩廊へ入って行く人 午後

柱頭の展示された部屋の窓には壁画が残っていた 午前
聖人像の一つ。こんな窓の縁にさえ絵が残っていることによって、聖堂内が壁画で荘厳されていたことが判明。

南側廊の階段際の壁には半円アーチの開口部を塞いだ跡が

18時前に見学は終了、外に出るとタンパンには更に直射日光が当たっていた。
『中世の街角で』は、コンク教会のコーレ神父が教えてくれた言葉を思い起こす。
「タンパン全部に光が当たるのは何時ごろですか」
「いや、全部に光が当たるときはありません。ただ明日の午後1時にいらっしゃい。もし晴れていればのことですが、教会前の石畳からの、光の反射がすばらしいですよ」という。
頂部の天使たちに日が当たるまでもう少しというところだが、そういうことにはならないようだ。

柱頭や軒下飾り(モディヨン)についてはじっくりとまとめます

      ローマの橋まで←   →サントフォワ修道院聖堂タンパンのイルミネーション

関連項目
コンク 夜はサントフォワ聖堂のトリビューンへ
サントフォワ聖堂地上階と中庭

参考文献
「中世美の様式下 ロマネスク・ゴシック美術編」 オフィス・ド・リーブル編 1991年 連合出版
「中世の街角で」 木村尚三郎 1989年 グラフィック社