お知らせ

イスタンブールを旅してきました。目的は、ミマール・シナン(正しい発音はスィナン)の建てたモスクやメドレセ・ハマムなどや、ビザンティン帝国時代の聖堂の見学でした。でも、修復中のものもあり、外観すら望めないところも多く・・・ 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2019年2月11日月曜日

アルビ ロートレック美術館


サントセシル広場付近(アルビ観光協会発行の地図より)

サントセシル司教座聖堂前は同名の広場。後陣脇よりの眺め
サントセシル司教座聖堂を見学後、後陣をぐるりと回り込んで、
ガーグイユの並ぶ身廊北壁、右側にはベルビ司教館(Le Palais de la Berbie)

次はその司教館(ベルビー宮)へ。他のものも展示されているが、現在ここはトゥールーズ・ロートレックの作品で有名な美術館となっている。
ロートレックは1864年アルビで生まれ、1901年にパリで没しているが、裕福な母のアルバ伯爵夫人がその作品の多くを所蔵しており、アルビ市に寄贈してこの美術館に収められているという。
その前に左手に歩いて行くと、フランス風の中庭とタルン川、そして川向こうの景色を眺めた(パノラマ合成のため湾曲しています)。
『Albi』は、ベルビ館は17-18世紀に司教たちがベルビ城塞をもっと住み心地の良い住居に変えていった。タルン川に張り出した幕壁は高さを揃え、川の流れを眺められる遊歩道になったという。
散策している人たちは葡萄の木陰で涼しそう。
アルビの街に入ったのは、右遠方の1944年8月22日橋(Pont du 22 Août 1944)、近い方の橋は古橋(Pont Vieux、ポンヴィユ)。
ベルビ館の平面図(説明パネルより)
サントカトリーヌ主塔(Donjon)は司教たちの新しい住居、最初の司教座聖堂(13世紀半ば)
司教館と新しいサントセシル司教座聖堂(13世紀後半)
ルネサンス期の改築と17-19世紀改修
11-16世紀の堡塁

ベルビ館とタルン川の空撮(説明パネルより)

続いて監視のための円塔と十字窓が整然と並ぶ中庭へ。
十字窓はルネサンス期、尖頭アーチはゴシック期
そして中庭の東側にあるのが美術館の入口だが、後世に増築されたものかな?
『Albi』は、現在の入口は20世紀半ばの建物にあるという。
中央のガラスにはアンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec)の頭文字を組み合わせたサイン。

まずかおりさんに案内されたのは、ロートレックの初期の作品の展示室。

自画像 1880年 
ガセルという名の白馬 1881年
乗馬像
鷹匠姿の父アルフォンス像 1882年
さまざまな人物像

ロートレック像 エドゥアール・ヴュィヤール(Edouard Vuillard、1868-1940)画 1898年

ゴシックの赤いレンガ剥き出しになっている
タピエ・ド・セレイラン(Tapié de Céleyran)医師像 1893-94年
モーリス・ジョワイヤン氏(M.Maurice Joyant)像 1900年

教会のように高くないので、尖頭交差ヴォールトの構造がよくわかる。
ロートレックの母など女性像
母アデル伯爵夫人像 1883年頃
マルロメ館のアルバ伯爵夫人 1886-87年
ピアノを弾くディオ嬢 1890年
ドガも同嬢を描いていると言って、かおりさんが見せてくれた。

段々と見覚えのある画題が。右は「ムーラン通りのサロン」
この部屋はそれほど大きくはない。
奥側の壁
4つめの壁

そして別の部屋へ入るが
壁には何も飾られていない。
しかし、床は切石を組み合わせたモザイクだった。長年踏まれて当初の色を失ってしまったようだが。

その後はリトグラフのポスターが主となる展示室を幾つか見学。
カフェ・アンバサドゥールに出演する人気歌手アリスティード・ブリュアン(Aristide BRUANT)
ミルリトンのブリュアン
コーデュー
さまざまな女性のポスター
踊り子たちは上品な娘たちの群と呼ばれた
ムーランルージュ、右はジャンヌ・アヴリル
ディヴァン・ジャポネという名のキャバレ
イヴェット・ギルベール
この黒い手袋がトレードマーク

かおりさんの解説に聞き入りながら写真を撮り続けたが、その言葉を覚えていないのが残念。
人と照明が入らないように気をつけたが・・・
1900年と晩年の作品

続く通路は天井が船底のようで、絵も残っている。
草木や果樹にと留まる鳥など自然を表したモティーフが多い。

この通路のような部屋にはロートレックにまつわる写真や史料が展示されていた。
ジャポニズムの時期に戯れるアンリ・ラシュ、ルネ・プランストーとロートレック、1892年頃
日本人を装ったロートレック、1892年頃
絵のモデルのロートレックと、描くロートレック

パリのムーランルージュ
パリの黒猫

続きの部屋でも下書きとポスターが並べられている。
ロートレックらしいものから、
当時からフランスでは盛んだった自転車競技のポスター、
そして意外な絞首刑者 1892年 木炭画
現代の職人(l’Artisan Moderne)とは医者のこと?
激怒した牝牛 1896年 リトグラフのビラ
ドーミエ風?

中庭に面した通路に、アントワーヌ・デュプラ(Antoine Duprat、1463-1535年)の家紋
このほぼ半円アーチの連なる通路に説明パネルが並んでいた。

その後ホテルへ。目立たない玄関には可愛い看板が。
ゆったりした部屋は玄関のある通りに面していた。
ホテルで夕食小さなバゲットが各自置かれている。飲み物は今回の旅行でマイブームのアプリコットジュース
野菜サラダとタルト
牛頬肉の煮込み
フルーツサラダ

アルビ サントセシル司教座聖堂←       →アルビで朝散歩1 目覚める街
関連項目
アルビ ベルビー館の舗床モザイクは象嵌タイル
アルビ タルン川クルーズと旧市街

参考文献
「Albi GUIDE TOURISTIQUE CONNAÎTRE」 DANIÈLE DEVYNCK 2011年 ÉDITIONS SUDOUEST