お知らせ

イスタンブールを旅してきました。目的は、ミマール・シナン(正しい発音はスィナン)の建てたモスクやメドレセ・ハマムなどや、ビザンティン帝国時代の聖堂の見学でした。でも、修復中のものもあり、外観すら望めないところも多く・・・ 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2020年2月6日木曜日

タルクイニア 国立考古学博物館1 


タルクイニアの町へ、
途中からエトルリア時代ではなく、中世に建造された周壁(石の大きさや形がちがう)に沿って、
カヴール広場でバスを降りて、
ジュゼッペ・ヴォルピィニ通りを登っていくと、左前方に
ヴィッテレスキ宮殿へ。この建物がタルクィニア考古博物館となっている。
入ったところが片側が列柱廊になった中庭。尖頭アーチと大きな柱頭のある細い円柱。ルネサンス初期の建物とはいえ、ゴシック様式の軽やかな尖頭アーチのアーケードが横にも縦にも並んで軽快だ。

回廊にも展示物が並んでいる。しかも、石棺が!タルクイニアのエトルリア人は骨壺葬だったのでは?

婦人の石棺
エトルリアの饗宴のように横臥している女性の高浮彫の棺蓋だが、棺には有翼の天使たちが多数登場しているので、キリスト教時代のものではないの?
それについてはこちら
棺台は肉食獣、おそらくライオンの足になっている。

壁龕には人物の頭部が置かれていたりして

壁側にもいろいろ並んでいた。

館内に入ると、

墓室の出土状況 
色も大きさも異なる壺類が沢山副葬されていた。それぞれ用途が違うのだろう。

石棺内の副葬品 前9世紀末-前8世紀前半

墓室への入口上部の浮彫装飾
浮彫装飾 前6世紀前半
中央に蹲った女性、両端は騎士(説明パネルより)
浮彫装飾 前6世紀前半
飛ぶ鳥やグリフィンなど
浮彫装飾
最上段にはアヒルの行列の文様帯。グリフィンやケンタウロスなどの浮彫の区画には組紐文
浮彫装飾さまざま 前6世紀

タルクイニアの墓地
円錐形の屋根のある円形の墓には軒上に立体的な装飾があった。
それはライオンの像

長々と階段をのぼって2階へ
それは中庭に面した尖頭アーチの並ぶ列柱廊だった。柱頭はどれも同じ葉文様。
通路にも石棺が並んでいたが、

最寄りの展示室に入っていった。

有翼の馬 前4世紀初頭 テラコッタ 114㎝ タルクイニアのアラ地区、女王の祭壇出土
ETRUSCAN PLACES』は、前4世紀の初め、アラの女王の聖域(女王の祭壇)はチヴィタ台地に立っていたという。
祭壇を飾っていた。

タルクイニアにも将来されたミトラ教
ゾロアスター教の太陽神ミトラが牡牛を屠り、犬が牡牛に飛びついている。

通廊に出ると地中海と水平線がが見えていた。
おっと棺を見損ねるところだった。他にも2つ展示されていた。
それについてもこちら

階段の方へ向かうと別の建物が
柱頭
その下側の窓。ガラスが格子状に嵌め込まれている。
上階へ

    タルクイニア ネクロポリ←    →タルクイニア 国立考古学博物館2

関連項目
タルクイニア考古博物館 石棺・陶棺

参考文献
「ETRUSCAN PLACES」 Maurizzio Martinelli Giulio Paolucci  2006年 SCALA
「エトルリア文明 古代イタリアの支配者たち」 知の発見双書37 ジャンポール・テュルリエ 1994年 創元社