お知らせ
イスタンブールでミマールスィナンの造ったモスクを見ていて、その前はどんな形のモスクだったかが気になって、オスマン帝国の古都を旅してきました。最後にはまたイスタンブールを訪ねます。
詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。
2018年8月30日木曜日
カオールで朝散歩1 ヴァラントレ橋
目覚めて大小のミネラルウォーターが並ぶ棚をよく見ると、最新式のカプセル式コーヒーメーカーが置かれていたので、早速カフェ(エスプレッソとは言いたくない)を飲む。
その後ベランダに出てみると、昨夕とは変わらない水量で、相変わらず赤茶けた水が流れている。
川沿いの遊歩道がヴァラントレ橋に行こうとしてホテルの周りを探すがわからないので、フロントの人に聞くと連れて行ってくれた。ティールームからベランダに出て石畳を辿って行く。散策している人たちがティールームに入るための小さな出入口があるのだった。
ヴァラントレ橋は3つの塔がある。
近くからはヴァラントレ橋全体をカメラに収めることは難しい。どっしりとした橋脚の間に浅い尖頭アーチが5つ並ぶ。
橋の東端の橋脚の間は浅い半円アーチ。ここが一番古そう。
くぐると若い木ばかりの葡萄畑があるのだが、観光用なのだとか。
アーチの石積み(適当に写したので、何のこっちゃらわからない)
ある程度離れてやっとヴァラントレ橋の全貌が見えた。
『laissez-vous conter Cahors』は、14世紀カオールに3つの橋が架けられた。南の12世紀頃の古い橋(おそらくもっと古い基礎の上に)は中世の大通りの延長線にできた。東の13世紀の新しい橋はドミニコ会の修道院とヴィルフランシュへの道に繋がった。そして最後に、唯一現存するヴァラントレ橋が西に14世紀に開通した。この象徴的な建造物は1306年に商事裁判所が決定し、その建設は1380年頃まで継続した。19世紀に建築家ポール・グーによって修復された。彼は軍事的な面を強め、中央の塔の上部に小さな悪魔を付け足し、悪魔が建設を助けたという伝説をはっきりと分かるようにした。2つは要塞化された3つの塔は、大きな尖頭アーチの上にロバの背中のような橋板が架かっているという。
朝食の時刻となったので一旦ホテルへ。
カオールやその近郊で作られたチーズ、左上からブリー、山羊の小さな円形のもの、名称は覚えていないが、表面の黒いのやハードタイプ、そしてドゥミセック(demi sec、セミハードタイプ)がカオール産。果物はイチゴ、サクランボ、ドライ無花果にナツメヤシ。パンもしっかりしていて美味しい。
その後朝散歩の続きはホテルの玄関からヴァラントレ橋へ。
途中で民家の隅にムラサキサギゴケのような花を発見。
でも、ムラサキサギゴケはこんな蔓にはならない。調べてみるとトキワハゼだった。こんなところにも日本の野草と似た花があるとは。
橋のたもとの家の際からヴァラントレ橋の最初の塔の正面が見えた。
もう巡礼者たちは出発していく。そう、カオールも巡礼路にある町で、この橋を渡ってモワサックに向かうのだろう。でもモワサックまで直線距離で50㎞ほど。一日では行き着けないだろう。
ヴァラントレ橋は真っ直ぐ架かっているのではなかった。
そして巡礼路であるホタテ貝のマークも。
最初の塔の前に門があり、
有事の時には上から扉を落としたのだろう。
上から見下ろすと・・・網にピントが合ってしまった。
現在は鉄道の下をくぐって先の道路に出るようになっているが、当初は橋から町へと自然な傾斜でが道が続いていただろう。
左の大木の向こうが昨日の夕食のレストラン。
蛇足ですが、その低い塀に郵便ポストを見つけたので、トゥールーズで買った絵葉書を投函。
最初の塔の通路は尖頭アーチの上に半円の補強アーチがある。当時は右脇の狭い階段で塔に入っていた。
下から見ると石段がかなり摩耗しているけど、せっかくなので上ってみたが、扉には鍵がかかっていた。
塔の下から見上げるとこんな隙間が。敵に石か煮え油を落とすため?
門を振り返る。壁があるから平気と思っていた階段が、こんなに危ういものだったとは😨
ちなみに上流側から見るとこんな風になっている。
塔の下の通路は尖頭ヴォールトではなく半円筒ヴォールトだったこともわかった。尖頭アーチはただの装飾か。
裏側には補強アーチが3つもあるけど。
橋脚の上流側。水圧を軽減するために鋭角に造られている。
上流側を眺める。
下流側はその必要がないので矩形。
二つ目の塔には階段がなくすっきりとしているように見えるが、かなり補修されているのだろう。
遠望すると、上流側に階段と出入口があった。
でも二つ目の塔で一番注目されているのはこの悪魔、19世紀に付け加えられたもの。
二つ目の塔を振り返る。ここでも橋は真っ直ぐではない。
下流側
三つ目の塔には左側に階段。これは翌朝上りました😊
下流側の閘門。現在では観光用に開閉される程度
上流側の門は開いている。対岸の白い建物は昔のポンプ場。現在はMaison de l’eau(水の家)と呼ばれていて、見学もできるらしい。
その先は行き止まり?
ここにも砦のようものがあったらしい。
当初はこの塔とこらの岸の間には跳ね橋があったのだそう。
先ほどからこの崖にちらちらと人の姿が現れたり消えたりしている。
ホタテ貝のマーク。なんとこの崖が巡礼路とはね。
拡大
写っていないけれど。結構車が通っていきます。
モワサックからカオールへ← →カオール 土曜市
関連項目
カオールで朝散歩2 崖を登る
カオールで朝散歩3 カオール駅へ
参考にしたもの
『laissez-vous conter Cahors』というパンフレット Emmanuel Carrère 発行年不明 service communication ville de Cahors