お知らせ

イスタンブールを旅してきました。目的は、ミマール・シナン(正しい発音はスィナン)の建てたモスクやメドレセ・ハマムなどや、ビザンティン帝国時代の聖堂の見学でした。でも、修復中のものもあり、外観すら望めないところも多く・・・ 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2019年5月13日月曜日

ルヴェル(Revel)


朝食が遅くなってしまった。
広々とした会場では写したかどうかさえ分からなくなるくらいに豊富な食品が豪華に盛り付けられていた。
右の大きな瓶は蜂蜜。奥がモミ、手前がアカシアでどちらもこの地方のもの。
ジュースも豊富
サラミや生ハムなど。窓辺の小さな花がかわいい
果物の中には蟠桃(ペシュ・プラト pêche plate)も
パン
そしてチーズにヨーグルトも豊富
カルカソンヌの店ブスケ(Bousquet)のチーズが並んでいる。
今回の旅行では、チーズを買って帰りたいと思っていた。牛や山羊のチーズは日本でも売っているが、羊=ブルビ(brebies)というのは馴染みがないので、是非買いたいと思っていたので、朝食で試食できて幸いである。
遅めに来たにもかかわらず、あれこれ取り分けてくるとずいぶんな量になってしまった。
羊のチーズ、買いたい。

本日はまずルヴェル(Revel)という近郊の村で土曜市が立つのを見学する。

まずは高速道に入り、カステルノダリ(Castelnaudary)インターへ。
緑の中を走って行く。
カステルノダリの町をかすめ、
小さなゴシック様式の教会だけが目立つ村を右に見て、
平たいはずなのに何故か傾斜のある土地へ。
道幅も狭くなり、丘陵地帯へと向かうのだった。
見晴らしの良いところで写真ストップ。平地の向こうにピレネー山脈が姿を現していた。
カルカソンヌからは見えなかった山々も
この山の名は?

そしてくねくねと細い道を辿って、行き着いた先がこの池だった(ヘタなパノラマ合成のため曲がっている)。
サンフェレオル湖と呼ばれ、対岸には周囲レストランが建ちならぶ観光地のようだが、
LE CANAL DU MIDI』によると、ミディ運河の運行に水が不足するため、ここにモンターニュ・ノワールから流れ出る水を貯め、水路をミディ運河まで繋いだという
今はその役目を終え、レジャーに利用されたり、
水鳥の楽園でもあるのだろう。
西側の堰に取水口がある。
もう運河そのものが運搬という役目を鉄道に奪われて久しいが、往時はここから勢いよく水が流れ出ていたのだろう。
現在は少しずつ排水される水は滝のように流れて、公園になっているらしい。噴水もある。
その水が地中海側と大西洋側に分配されるのは、カステルノダリより少し西のノルーズ(Naurouze)というところ。
この図のミディ運河への水路の合流点がノルーズ。
カルカソンヌから地中海まではかなりの距離があるのだ。
ミディ運河とモンターニュ・ノワールの水を集めたサンフェレオル貯水池からの水路、そしてその間の町と道路網。

再び木木に挟まれた道路を走っていく。

ルヴェル地図

平地になって間もなくルヴェルの北のロータリーへ。
定期市の時には車を通さないヴィクトール・ユーゴー通り(Rue Victor Hugo)を2ブロック南下。
正面には本屋。左方向にギャルリー・デュ・ノール(Galerie du Nord)へ。
左手は、他の町でも見た一階が平天井で、カフェのテラスも兼ねた通路。
週に一度の買い物にやって来る人たちが休憩している。
そして中央広場(Place centrale)に屋根付きの市場は、四方をギャルリー(歩廊)と呼ばれる通路に囲まれている。
これまで、カオールでは四壁と屋根のある建物のような市場、コルドシュルシエルでは柱の林立する屋根付きの市場、アルビでは新しく建て直された三角形の建物の市場を見てきたが、ルヴェルでは時計塔がのる四角い建物の下に大きな屋根がある市場だった。
ギャルリー・デュ・クシャン(夕暮れ歩廊、Galerie du Couchant)と、奥のギャルリー・デュ・ミディ(真昼歩廊、Galerie du Midi)に面した建物群。高さが違い、木組み(コロンバージュ)のものもあれば、素っ気ないものもある。
左手の豚肉製品の店(charcuterie)では蜷局を巻くソーセージ発見。
野菜売場では巨大なマッシュルーム(シャンピニョン・ド・パリ)が1㎏4€未満。
パリで暮らしていた頃は、マルシェで買った収穫仕立てのマッシュルームにレモンを絞って、生のまま食べていた。

市場の中に足を踏み入れると、大きな屋根裏に市場がすっぽりと覆われていた。
ルヴェルの市場の特徴は、柱も天井も木のまま。それにしても長い庇。
真ん中の塔のような建物に観光案内所がある。
この木材の組み方👀
あっ、お目当てのチーズ屋MARZAC(マルザック)があんな所に😊
一度市場の外に出て、トイレ休憩を兼ねてギャルリー・デュ・ルヴァン(夜明け歩廊、Galerie du Levant)に面したカフェレストラン・バラの木(Brasserie du Rosier)へ。
残り少ないカフェ(エクスプレス)を飲める機会でもあった。
この建物下の通路は虹色の梁。

南東の角からノートルダム通り(R.Notre-Dame)へ。
左前方に教会のドームと尖塔が。
こんな鄙びた町にそぐわない玄関の華麗な装飾
その隣はフォワグラのコンフィの専門店

ノートルダム・デ・グラス教会(Église Notre-Dame-des-Grâces)の西ファサード。
半円アーチだが人物の彫像が並んでいるし、
バラ窓の縁取りも妙。何時の時代のものだろう。
L'ÉGLISE PAROISSIALE NOTRE-DAME-DES-GRÂCES DE REVELは、14世紀半ばに創建されたが、その後何度も建て直された。
現在の外観は1869-89年のものという。
軒下飾り(モディヨン)はブドウなど植物文様が多いが、中央部分にはキリストを表す十字架を持った羊や魚、鷲なども。
柱頭は聖書の物語のよう。幼子キリストと母マリアが登場
右は受胎告知、左は十字架降下
北側廊の入口も半円アーチ
柱頭彫刻は植物文様

正面の文から入ると白く明るく、半円ヴォールトと横断アーチの簡素な造り。
柱頭は植物文様の中に人物の立像が配される。
内陣の半ドームには玉座の聖母子の両側に2人ずつ、マギの礼拝でもなさそう。
周歩廊の礼拝室の一つにはハトのステンドグラス
内陣の真後ろから入口方面。
パイプオルガンに隠れる部分もあったが、バラ窓のステンドグラスも簡素。

中央広場の市場に戻り、自由時間に買い物。
是非買いたかったマルザック(MARZAC)のチーズ。セミ・ハード(ドゥミ・セック)タイプのものなら日本に持って帰っても大丈夫だろう。
ラ・コカーニュ(La Cocagne)産羊(ブルビ、brebi)のチーズ
ローラゲ産(Lauragaise)山羊(chèvre)のチーズ 
今回の旅でセミハードタイプのチーズに嵌まった。暖めたパンの上にチーズをのせ、蜂蜜を付けて食べるとまた別物。でも日本で買うと高い😢
せっかくなので、熟成が進んで心配だけど、セミハードではないリボタン(Ribautin)産牛(vache)のチーズも😊
帰国後まずこのチーズから食べ始めた。熟成しているせいか、このなかでは一番濃厚。
ホテルの部屋には冷蔵庫があったが、冷凍室はなかったので、500gの保冷剤を2つホテルの人に頼んで冷凍してもらった。保冷ケースに入れて持ち帰ると、羽田ではさすがに解凍してしまっていたので、コンビニでは氷は売っておらず、そのままリュックに入れてその日の内に帰宅したのだが、品質が落ちることもなかった。
そして有機栽培(ビオ)のパンも。
土曜市でルヴェルの人たちは1週間分の食糧や日用品を買う。
添乗員氏が一人に質問した、大型スーパーがあった方が便利では?
いや、不便は全く感じない。大型スーパーは我々の生活に必要ない
バゲットのようなパンだと1週間はもたない。1週間もつパンは皮が厚く固い。しかし、切って暖めるととても味わい深い。特に昔の製法でつくったパンはもっちりとして、これまで食べたどのパンよりも美味しかった。残念ながら写真はない、このケースがもっと透明度が高かったら少しはパンが分かったのに。
他にはいろんなジャムや蜜蝋でつくった蝋燭なども売られていた。

こんな風に休日の半分を買い物に費やすとしても、しょっちゅうスーパーに行っている私の方が時間を無駄にしているのだ。
行列は普通
パエリアやクスクスなど他国の料理を売る店も。
それにしても、ネクタリンや桃が一箱5€とは。
あ、角に合った本屋が開いている、でも時間がない・・・

     カルカソンヌ 朝散歩1←      →ソレーズ(Sorèze)

参考サイト
ルヴェルのノートルダム教会についてのページ L'ÉGLISE PAROISSIALE NOTRE-DAME-DES-GRÂCES DE REVEL
ルヴェルのチーズ製造販売店 マルザック(MARZAC
「LE CANAL DU MIDI SYSTEME ALIMENTAIRE DE LA MONTAGNE NOIRE」 ECCO.1993年