お知らせ

イラン・フランス南西部のオクシタニー地方の旅行記に続いて、南イタリアの旅に入りました。
その中で気になるものについては、忘れへんうちにに記事を載せていきます。

2019年5月6日月曜日

カルカソンヌ 朝散歩1


6時にはホテルを出ようと思っていたのに、あれこれと手間取ってしまい、空中廊下を渡る時既に20分になっていた。平らなモンターニュ・ノワールを背後に、サンルイ地区はすでに朝日が射し初めている。
反対側の窓でもサンナゼール聖堂のゴシック様式の部分が朝日色に染まっている。

左の空中廊下のあるサンナゼール通り(Rue Saint-Nazaire)はオード門(Porte d’Aude)へ、右のサンルイ通り(R.Saint-Louis)はコンタル城(Château Comtal)やナルボンヌ門(Porte Narbonnaise)方面。今朝はこちらの通りへ。
その間のこの建物は、一階は店舗だが、二階はホテルの客室。
中世の街シテ(観光局発行の地図、○番号は(『LA CITÉ DE CARCASSONNE』以下『CARCASSONNE』より)

コンタル城をその門から眺め、
ヴィオレ・ル・デュク通り(R.Viollet-le-Duc)へ。
かなり以前にNHKで放送された『探検ロマン世界遺産』というシリーズにカルカソンヌの回があり、LE SENECHALというカフェでは、ヴィオレ・ル・デュクがカルカソンヌの城壁やコンタル城を修復した時の図面を壁に掛けて保存していることを紹介していた。せっかくなのでここでエクスプレスを飲みながらその図面を見てみたいと思っていたが閉まっている。なんぼなんでも7時前は早すぎたかな🤔
続きの建物にはシェードのLE SENECHALの名前が書いてある部分だけがあった。その下はルネサンス様式の十字窓。
通りの先へと向かう。シテ地区はホテルが少ないので、観光客がやってくる前は人気がなく静か😉
突き当たりがグラン・ピュイ通り(R.Du Grand Puits、大きな井戸)となり、文字通り大きな井戸が道の真ん中にあったが暗くて分かりにくい。
左手の狭い道へ。
その先のサンジャン広場(Place Saint-Jean)から上半分が朝日色のコンタル城が間近にそびえていた。
特に柵もなかったので、堀?の中へ入ってみる。バルバカヌ(堡塁)とコンタル城を繋ぐ石橋は2種類のアーチの大きさのものが2つずつ。
昨日通った巡視路。復元したものとは言え、矢狭間や石落としのある板囲いの中を歩くのは面白かった。
監視塔の裾の部分。積石は3種類ほどある、ということは少なくとも築造と修復を3回は繰り返している。
石に混じって赤いレンガもあるが、層にして積まれていたローマ時代のものではなさそう。 
城壁の内側を歩くつもりだったが、小さな門の向こうが明るいのに誘われて、

内壁と外壁の間の通路へ。
オード川はまだ暗くてよく見えないが、対岸の建物が見えてきた。午後上ろうと思っているサンヴァンサン教会(Église Saint-Vincent)の塔にも。
左を向くと56礼拝堂の塔(Tour de la Chapelle)、そして60:破壊されたオード堡塁(Barbacane d’Aude)に繋がる通路の門、そしてその奥には遠くの監視塔が。

整備されていない通路を歩く。右はシャルパンティエール塔(Tour de la Charpentière)
日陰の草むらの赤紫の花はタチアオイ

ルージュ門の塔(Tour de la porte Rouge)の土台。この監視塔だけ赤かったのだろうか?
上に上がって左外を眺めると西望楼(Échauguette de l’Ouest)が顔を出していた。

グラシエール塔(Tour de la Glacière)は土台が円形で、石段も土台に沿って造られていて、画一的ではない。

振り返ると、内壁はアヴァールの風車の塔(Tour du Moulin d’Avar)とアヴァール秘密の扉(Poterne d’Avar)、遠くにシャルパンティエール塔(Tour de la Charpentière)。
勾配に従って外壁の監視塔も段々に低くなっている。
肝心の警護室が入っていなかったのでもう1枚。
外を眺めるとモンターニュ・ノワール(黒い山脈)の最高峰?が。

進行方向にサムソン塔(Tour de Samson)とマルキエール塔(Tour de la Marquière)が並んでいて、その間には北門(Porte nord)。
サムソン塔とマルキエール塔の土台は立方体で、中世に手直しされたもの(『CARCASSONNE』より)。整然と石と赤レンガの層で造られたローマ時代の壁や監視塔の下を掘り下げて城壁を高くしたのだとか。
北門は小さく造り直されている。面白いことに、北門の右側はローマ時代の赤レンガの層が挟まれた小さな石を積んだ壁で、北門から左は大きな石が乱雑に積まれている。

マルキエール塔、ヴィユラス塔(Tour du Vieulas)、コネターブルの水車塔(Tour du Moulin du Connétable)、左側は木陰になっていて分かりにくいが、ノートルダム堡塁(Barbacane Notre-Dame)がある。

また外側を眺めると風力発電の装置が幾つか立っていた。
ノートルダム堡塁を見ようとして、犬を散歩させている人と出会った。地元の人ではなく、スペインに住んでいるイタリア人で、日本企業の工場に勤めているという。
鴨が凸壁に留まっているのが不思議な感じがする。
半円形の出っ張り
あ、鴨がこっち向いた

ヴィュラス塔(Tour du Vieulas)、コネターブルの水車塔(Tour du Moulin du Connétable)、トレゾー塔(Tour du Trésau)。ヴィュラス塔の右に尖頭アーチが2つ。
ヴィュラス塔の際に石落としの壁が出っ張っている。

コネターブルの水車塔
13世紀に周壁を修繕した時に、古い水車の土台を使ったという。

太陽が正面に昇っていた。

ベナゼ塔(Tour Bénazet)
ベナゼ塔から左にノートルダム堡塁
外側の土手も歩いてみたいもの。
同じく右にベラール塔(Tour de Bérard)

㉓㉒の間の壁面。後の時代に造られたようで、かつてはこの内側に2つの監視塔があった。

トレゾー塔(Tour du Trésau)
リーフレットは、目地より突き出した石積み方法による13世紀末の典型的な建築で、国王の宝物が保管されていましたという。

やっとナルボンヌ門の双塔。右の出っ張りも石落とし?
ナルボンヌ門
橋からサンルイ堡塁(Barbacane Saint-Louis)とベラール塔
シテ地区で宿泊して自転車競技に向かう人たち。

門からシテ地区へ。
門の上から石でも落としたのだろうか、大きな開口部がある
何を表しているかわからないが、装飾的な浮彫と、その下に3つの細い柱頭。
入ってすぐを右に行こうとしたら扉が閉まっていた。
門の正面にはまだ誰もいないクロ・メルヴェイユ通り(R.Cros Mayrevieille)

グラン・ピュイ通り(R.du Grand Puits)に入る。
トレゾー塔への矢印はこの柵の中?
柵の向こうは昨日通った巡視路が見えるだけ。

ノートルダム通りに入ると、一階には尖頭アーチの扉口、二階にはルネサンス様式の十字窓が2つ。その向こうに矢印が。


ロデズ門(Porte de Rodez)という案内だが、『CARCASSONNE』は北門または町の門あるいはロデズ門ともいうという。
門からの眺め
左手には先ほど見逃していたムレティス塔(Tour de Mourétis)
そして大きすぎて1枚に入らなかったノートルダム堡塁
北門から階段の先を右折、ムーラン・ダヴァール(R.du Moulin d’Avar)通りへ

北門の隣のサムソン塔
サムソン塔の下にも門があったらしい。
歩き続けてアヴァールの風車の塔(Tour du Moulin d’Avar)
通りの向こうにカフェが見えてきた、サンジャン広場に戻ってきた。
広場からは太陽の光を全身に浴びたコンタル城、そしてその奥にサンナゼール聖堂。
サンナゼール聖堂を北側から見られるのはこの辺りだけ。
左に後陣が出ている。

まだ時間があるので、また内壁と外壁の間を通ることにした。この通路は13世紀に内壁を掘り下げて既存の監視塔や壁の下に石を積んで高くし、外壁を造って二重周壁にして、その間の通路を広く取り、隊列を組んだ兵士たちが素早く移動できるようにしたのだとか。
内壁の監視塔は手前から、サンセルナン聖所の塔(tour du sacraire Saint-Sernin) トロケの塔(Tour du Trauquet) トロケ(Trauquet) サンローランの塔(Tour Saint-Laurent) ダヴジャンの塔(Tour de Davejean)  
外壁の監視塔は手前らペイルの塔(Tour de la Peyre) ヴァドの塔(Tour de la Vade)
サンセルナン聖所の塔
同書は、1793年に壊されたサンセルナン小教区教会の後陣の一部だった。1441年にフランボワイヤン様式の装飾のある窓が開かれたという。
塔にだけ赤レンガの層がある。
五葉形の尖頭アーチ窓は今回初めて。

トロケの塔(Tour du Trauquet)
トロケ(Trauquet、角ばって出っ張ったもの)はよくは分からないが、上方2段に矢狭間がある。
続いてサンローランの塔(Tour Saint-Laurent) ダヴジャンの塔(Tour de Davejean) バルタザール塔(Tour de Balthazard)

外壁のペイルの塔(Tour de la Peyre) ヴァドの塔(Tour de la Vade)
銃眼から眺めた墓地
ヴァドの塔(Tour de la Vade)
『CARCASSONNE』は、外壁で最も重要な防御の建物。本丸或いは前進主塔の一種とされてきた。1240年の包囲で破壊された町の代替として、ピュシュ・サンミシェルの丘を管理するために1240-45年に建造されたという。
内壁にはバルタザール塔
この辺りはずっと壁際の巡視路を通れるように造られているが、現在は鎖があって通行止め。
木の階段正面の扉口は板戸が閉まっていた。
東の望楼(Échauguette de l’Ést)は内側からは見えない。
遠方にうっすらと雪山が👀
ひょっとしてピレネー山脈?

ここから城壁は曲がっていく。
プロ塔(Tour du Plô)
カステラ塔(Tour de Castéra) 営倉の塔(Tour des Prisons) サンマルタン塔(Tour Saint-Martin) サンナゼール塔門(Tour-porte Saint-Nazaire)
矢狭間の下に赤レンガの層

プレト塔(Tour Pouléto)は中が見えているが見逃して、

その次がコティエール塔(Tour Cautière)
手前の腰壁の向こうは狭い階段があって、外に出られるようだった。

内壁の方はサンマルタン塔(Tour Saint-Martin)に続いてサンナゼール塔門(Tour-porte Saint-Nazaire)

サンナゼール塔門の向かいにあるクレマド堡塁(バルバカヌ、Barbacane Crémade)の左にある腰壁から銃眼まで行ってみると、
緑の遙か向こうに山脈が。
先ほどよりもずっと沢山の山が連なって見えた。
サンナゼール塔門からシテ地区に戻ろうとしたら、
またしても犬連れの人が現れた。
かなり修復されている。この穴から敵の襲来などを知らせたという。この上の階には常駐する兵士達が食事をするための竃が造られていたとも。
右折するとサンナゼール聖堂の前だった。

    夜のライトアップは古い橋から←      →ルヴェル(Revel)

関連項目
カルカソンヌ 朝散歩2
カルカソンヌ コンタル城

参考文献
「LA CITÉ DE CARCASSONNE」 François de Lannoy 2008 Éditions du patrimoine Centre des monuments nationaux