お知らせ

イスタンブールでミマールスィナンの造ったモスクを見ていて、その前はどんな形のモスクだったかが気になって、オスマン帝国の古都を旅してきました。最後にはまたイスタンブールを訪ねます。 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2023年11月3日金曜日

ユソン Usson


サントストルモワヌ聖堂のあるイソワールを出てユソンへ。
ユソンもまた小さな丘の小さな集落だった。

集落の外の駐車場はそれほど高いところにあるわけではないが、残雪で白い旧火山群が山脈のように一続きに見える。


そして、木の向こうにはイソワールの町が見え隠れ。



集落の中へ(Google Earth より)
ユソンの集落 Google Earth より


奥に聳えているのは教会の鐘楼。

丘の上には聖母子像


そしてこの集落の街灯はこんな愉快な装置にぶら下がっている。


坂の町なので、道路は巻いてついている。
こちらには行かず、

反対側へ。
下部は玄武岩の嵌め込まれた壁、上部には石は嵌め込まないというのがこの集落の建物のよう。


村の鍛冶屋を覗くと、

左の石の棚には工具が並び、右上に革製のふいごがあった。



改修中の家?

いや、町役場が改修している納屋らしいことがプレートでわかった。


この木のところでひと曲り


市壁とも伝統的な家の壁とも見分けられないが、赤い扉が似合っている。


学校 École と町役場 Marie が同じ建物にあって、入口が左右対称に並んでいる。 



その前の分岐は曲がらずに行くと、
十字架のエンブレムが上にある扉口があった。木の扉はまたしても赤。

上を見上げると玄武岩を積み上げた壁面が荒いところと密なところがある。


続いて円塔のある建物。一階は倉庫のようだが、今時のモディヨン(軒下飾り)が並んでいる。


さてこの円塔は階段? それとも監視塔?


また別の建物
三階の開いたところはおそらく穀物倉庫

その手前の農家を柵越しに拝見。

庭では鶏がお食事中。


手当たり次第石を積み上げたような壁


倉庫のある建物の前で左に曲がると、味のある農家の屋根瓦

そして先ほどの円塔が下に見えた。

その先には個人宅の庭のような、小さなホテルの庭のような・・・

その遠方にはのどかな田園風景が広がって、教会の中を柱頭彫刻を撮影しようとせかせか歩き回っていたのとは違って、心安らぐひとときとなった。


右手はその先は石垣だけで建物はなくなり、

ついに教会が現れた。



しかしながら教会は閉まっていた。

サンモリス教会  Église Saint Maurice 
現地ガイドさんによると、創建時はロマネスク様式だったが、後世の補修で改変されているという。

このへ
しゃがったヴォールトはロマネスクでもゴシックでもない。ここは何だったのだろう。ナルテクス?

角形の鐘楼は金属で補強されている。

ゴシック様式の窓


この地方では、瓦はこんな風に同じ形のものを交互に逆にして並べてあることが多い。



鐘楼の下は道路が通っているが、車の往来はなかった。


教会の隣の建物は隅に補強の扶壁がある。


教会の背後より

後陣の出っ張りもない。



その後オルグ(orgue パイプオルガン)を見に行った。


これは市壁の遺構。平たい道を歩き続けると、


黄色い花を写していると、正面の崖が柱状節理になっていることに気がついた。


なんと、全体が柱状節理なのだった。
兵庫県の玄武洞のように、細い柱状節理だが、玄武洞のようには曲がったり洞窟をつくったりせずに、ニョキッと出ているだけ。

外側から風化して崩れてきてはいる。

こんなところに部分的に残っていたりもする。こういうのがあるお陰で、ここの玄武岩は表面だけがグレーで、内側はベージュ色であることが分かった。


ユソンの火山探検というプレート
こんな風にかつての小さな火山の周りを散策してみたかった~🤩


しかし、残された時間は少ない。先ほどの教会の近くまで戻って頂上へ向かった。

ここはそこそこの傾斜があり、土の道だった。


頂上には柱状節理が少し出ていたが、玄武洞のように、黒い六角形の石が転がっているということはなかった。それで、石垣や建物の壁に埋め込まれていた石が六角形ではなかったわけね。



頂上にあるのはそんなに古くない聖母子像。
ユソンの山は円錐形で尖峰ではないからか。
モンサンミシェルや、ルピュイのサンミシェルデギュイユ礼拝堂のような尖った山には、大天使ミカエルの名が付けられているのとの違いなのだろう。

頂上は展望台
東側には先日お昼を食べに寄ったソクシヤンジュ Sauxillanges があったが、目で見つけることはできなかった。

写真は場所がずれていた😅


南側の山や集落

またしても妙なパノラマ合成


西側には古い火山群とイソワールの町

やっと地図と同じ場所の写真、でもパノラマ合成で湾曲している。



ユソンの小さな村と大きな柱状節理を見学の後はクレルモンフェランへ戻った。噴水のオブジェは玄武岩ではなかった。


この旅最後の夕食は、クレルモンフェランのパヴィヨンラマルティヌ Pavillon Lamartine にて
ここも2021年にミシュランに選ばれたレストランだった。

アミューズは2種類、絞った形のにはチーズクリームが入っていた。お皿もおしゃれ

シャルルパピヨンのトマトジュース
瓶の内側に張り付いたジュースがガラスの内側に凹凸があるようで面白い

二つ目のアミューズはなんとスープ。器が天目茶碗風に見えなくもない。


前菜は生フォワグラと野菜のラビオリ仕立てのビーフブイヨン


メインはイシビラメの白ワインバターソース、白アスパラも。


デザートはモンブラン
さすがに普通のモンブランとは違う。

そしてコーヒーと共にフィナンシエとクッキー



フランス料理はどこでも美味しいが、今回の旅ではオーヴェルニュ地方のミシュランに選ばれたレストランでの食事が多く、味も盛り付けも格別だった。そして器も凝っていた。



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