一般にグランドバザールと呼ばれているイスタンブールの屋根付き市場 kapalı çarşı は、幾つか入口があるが、今回はヌールオスマニエジャーミイ Nuruosmaniye Camii 側から入った。
このモスクは18世紀中頃に建てられたオスマンバロック様式の建物。
グランドバザール(カパルチャルシュ Kapalı Çarşı)の地図 『図説イスタンブール歴史散歩』より
Nはヌールオスマニエジャーミイ側の入口 ●はカフェ・サルク・カフヴェスィ
ピンクのところは古い商店街(ベデステン)で、同書では内のベデスタンとされているが、エスキベデステンとも呼ばれている。
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グランドバザールの地図 図説イスタンブール歴史散歩より |
入ると直ぐに右手にサンダル・ベデステン SANDAL BEDESTENİ という1461年に造られた古い商店街の建物。30年ぶりに来て、入口がセキュリティチェックが厳重になっていてびっくり。
アラスタは通りの両側に店舗がならんだ商店街、ベデステンは縦横に店舗がひしめく商店街。
『図説イスタンブール歴史散歩』は、グランド・バザールの歴史は、コンスタンティノープルの征服とともに始まる。征服者メフメットは、街づくりの一環として、バザールの建設にも着手した。旧ベデスタンの東南側に小ベデスタン(キユチユク・ベデスタン)ないし新ベデスタン(イエニ・ベデスタン)とも呼ばれる、サンダル・ベデスタンが成立した。サンダルというのは、ここで扱った織物の一種の名にちなむという。
30年前に来たときとは天井が塗り直されて文様が変わっているが、当たり前か。
広い通路もあれば、
水場のある交差点に、
フェスジレール小路 Fesciler Sk. とヤールチラール小路 Yağlıkçılar Sk. の交差点にある老舗のカフェ、サーク・カフヴェシ Sark Kahvesi は今風になってしまっていた。この前で待ち合わせして、皆さんと屋上歩きをしにいった。
もう一つ階段を上って屋上に出た。
イスタンブール旧市街図、グランドバザール周辺 Google Earth より
➊カパルチャルシュ(グランドバザール) ➋エスキベデステン ➌サンダルベデステン ❹ヌールオスマニエジャーミィ ➎マフムトパシャジャーミイ ❻チェンベルリタシュの柱 ❼ガズィアティクアリパシャジャーミイ ❽チョルルアリパシャジャーミィ ❾ベヤズィットジャーミィ ❿ベヤズィット塔 ⓫スレイマニエジャーミィ ⓬リュステムパシャメドレセ(ここからは見えないが、最終日に見学する予定)
まずは❹ヌールオスマニエジャーミイ方向へ。古いベデステンは小ドームで高いが、ほかの店舗は切妻屋根屋根と屋根の間は隙間がないので地面まで落ちる心配はない。各店舗のエアコンや明かり取りの窓が並んでいる。
小さく小さく見えているのが小ドームが連なる❸サンダル・ベデステンと、近くなので大きく見える❷エスキベデステン。
『トルコ・イスラム建築』は、68.7mX52.8mの長方形平面の対称形プランの建物である。建物の四面それぞれの中央に中に入る門があり、夜間は閉じられる。建物の中央には、8本のピアで分けられた15個のベイが同じ大きさのドームで覆われた中庭状の広い空間が設けられ、その周囲に狭い入口が付いた小部屋が配置され、建物の外側には外に開かれた商店が並んでいる。貴金属などの高価な商品を扱う商店のためのベデステンとして、建物はレンガ造りで防火対策が施され、鍵のかかるシャッターなど防犯対策もとられている。現在は、中央の空間も狭い通路だけを残して、多数の木造小屋の商店が並んでいる。その一角には、二階建てのメスジットもあるという。
メスジットはモスクよりも小さな礼拝施設のこと。
礼拝室の両側にタブハネ(旅行者を無料で宿泊させる施設)があり、その両端にミナレットが設けられているため、一対のミナレットが離れて見える。
❷エスキ・ベデステンの傍にはレンガ色の積み木を組み合わせたようなものが。煙突?
❹ヌールオスマニエジャーミイ側の入口から入って、❸サンダル・ベデステンの前を通ったが、この通路のある屋根がそのカルパクチュラル通り Kalpakçılar Cd. の上。
更に北西方向を眺めると、物見櫓だった➓ベヤズィト塔、そして遠方の⓫スレイマニエジャーミイ Süleymaniye Camiiも何とか見ることができた。
エスキベデステン越しにスレイマニエジャーミィを発見したところで見学は終了。
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参考文献
「図説イスタンブール歴史散歩」 鈴木菫著・大村次郷写真 1993年 河出書房新社