お知らせ

イスタンブールを旅してきました。目的は、ミマール・シナン(正しい発音はスィナン)の建てたモスクやメドレセ・ハマムなどや、ビザンティン帝国時代の聖堂の見学でした。でも、修復中のものもあり、外観すら望めないところも多く・・・ 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2024年10月1日火曜日

トラムT1線 そこここにあるビザンティン帝国時代の遺跡


ディヴァンヨル通り Divan Yolu Cd. はスルタンアフメット駅から先は急な下り坂。しかも左カーブで、道の両側に遺跡がある。地上の歴史的建造物と地下の歴史的建造物の痕跡とが同居する街だ。
➊フィルズアージャーミイ ➋アンティオコス宮殿跡 ➌聖ユーフェミア教会跡 ➍ラウソス宮殿跡 ➎マイルストーン ❻何かわからない発掘現場
イスタンブール スルタンアフメット駅付近の遺跡 Google Earth より


アトメイダヌ広場からスルタンアフメット駅に向かうと小さなモスク、続いて遺跡が見えてくる。
小さくて他の観光名所を行き来する人たちには見過ごされがちな➊フィルズアージャーミイ Firuz Ağa Camii。 


➋アンティオコス宮殿跡 Antiochos Sarayı Kalıntıları 





ディヴァンヨル通りのスルタンアフメット駅までをよく見ると、いろいろと遺構が残っている。


小さな白いオベリスクのようなものはモスクや遺跡の説明パネルで、見逃さなければいろいろな情報が得られる。

➌聖ユーフェミア St. Euphemia の教会跡 (六角形のもの)
説明パネルは、古代カルケドン(現イスタンブールアジア側カドゥキョイ)の時代に聖人として知られていた聖ユーフェミアは、303年9月16日に宗教的信念を理由に殺害された。ユーフェミアは、カルケドンの街の外にある殉教者埋葬地に埋葬された。
教会は、7世紀初頭のものと推定されている。さらに、推定によれば、おそらくアンティオコス宮殿の一部だった建物が教会に改築されたものと思われる。この建物は、初期キリスト教建築において宮殿建築の影響が見られる最初の教会だった。コンスタンティノープルの征服後、建物は破壊され、その上に新しい建物が建設されたとが理解されていた。 1939、42年にイスタンブール考古学博物館とアヤソフィア博物館によって行われた発掘調査では、さまざまな建築遺跡やフレスコ画が発見された。教会の入口の最初の龕のドアの周りの二階建ての 14 枚のフレーム内に、聖ユーフェミアの生涯の場面が描かれていた。その中には、聖人の誕生、火葬、埋葬などが含まれていた。他の壁にも、聖母マリアとイエス、他の宗教の殉教者、教会の創設者のフレスコ画がありた。教会は 1951年に裁判所ビルの建設中に破壊されたが、フレスコ画は保護されていたという。


丸みのある壁面は

柵の向こうにも続く建物のようで、Google Map で見ると、ユーフェミア聖堂跡らしい。


この円形のものは➍ラウソス Lausos 宮殿跡。向こう側に花びらのように半円形のものが三つ並んでいる。 右向こうの朝日を帯びた長々と続く建物はイスタンブールの教育局。


Wikipediaには平面図があって、それによると、一段下に半円形の枠が残っているのは➋アンティオコス宮殿跡のよう。



フィルズアージャーミイの別の面が見えてきた。
Google Map で出ているローカルガイドの情報によると、15世紀のオスマン帝国のモスク。ベヤズット二世の財務長官であったフィルズアーによって建てられたという。


スルタンアフメット駅から眺めたフィルズアージャーミイ
ドームの大きさから比べるとミナレットが太く見える。

礼拝室への入口の両側にはソンジェマアトイェリ(遅れて来た人が礼拝する場所)が一つずつという小ささ。当時はイスタンブールの人口が少なかったこと、その上多くいたユダヤ教徒やキリスト教徒に改宗を強いなかったのでムスリムも少なかったので、こんなに小さなモスクでも充分だったのだろう。


日暮れ時
やはり礼拝室の扉は閉まっている。おそらく一日5回の礼拝時間以外はしまっているのだろう。トイレは右から回り込んでいたが、男性用とされている。
何度も近くを通ったのに、結局ミナレットを撮影できなかった。

反対側からみたフィルズアージャーミイ


もう一つの遺跡は通りの向かい側でマイルストーンの近く。オレンジ色のシートで養生されているのが巨大なマイルストーン?

ではなく、その前の白っぽい方。



そしてどんな建物跡なのか知りたかったこの❻遺跡は、説明パネルもなかった。

あちこちに橋が渡してある。

ローマ時代の水道管などが出土している。

さすがに鉛ではなくテラコッタの水道管になっていた。建物ではなく、道路脇の水道設備の発掘かな。




参考にしたもの
現地の説明パネル