ビシュケクの国立博物館は騎馬遊牧民にまつわる展示が多かった。
その中で興味を惹かれたのは、やはり鍑だった。
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円錐形の脚のついた幅の狭い鍑。
口縁部にも、ハンドルにも装飾はない。
丸い鍑も円錐形の脚がついている。
こちらも装飾はなく、ハンドルが土器の耳のように、横についている。
他の地の出土品だろうか、動物の飾りなどがついた大鍋のパネルがあった。
スキタイ・サカ族の遺品
このパネルでは、前1千年紀に、スキタイ世界からモンゴルに至るまで、広汎に見られる遺物。
鍑(大鍋)はイシククル湖地域から出土したとされている。
出土品ではなく、パネルだけのものも多かった。出土地・時代不明
気になるのがこのライオンのような12頭の動物が縁を巡る器。ハンドルらしきものが皿部の中央についているが、その頂部には穴があるので、そこに他の装飾的なものか、旗のようなものを立てたのだろう。
こちらは四角形で、縁飾りは多数が失われているが、奥には向かい合うか、肉食獣が草食動物を捕まえているようなものが残っている。
やはり皿部に突起が2つあり、やはり何かを取り付けていたようだ。
どちらも祭儀などに使われたのだろう。
武器類
短剣 前6-3世紀
柄のあるものと剣先のあるもの
騎馬人物は、右手に柄のある武器を持ち、弓矢の入った箙は背後に回し、短剣を太腿に2本の紐で固定している。
別のパネルではもう少し長い剣は腰に巻いたベルトに吊り下げ、短剣は右腿に固定して、左手で盾を持っている。
このようなベルトは腰佩と呼ばれ、衣服を締める役割たけでなく、外出する際に様々な携行品を提げる役目もあった。
腰佩についてはこちら
ベルト2点 9-10世紀
このようなベルトは幾つか展示されていたが、吊り下げられていたものは失われている。
ベルト 9-10世紀
吊り下げる個所にも金属の部品が付いていて、そこには向かい合う鹿のような打ち出し装飾があるものも。
ベルト 8世紀
ほぼ一周分残っている。騎馬遊牧民は、このようにベルトに必要な品を吊り下げて、草原を馬で疾駆していた。
それは、イラン系であったり、テュルク系であったり、その時代によって変わってはいるものの、ユーラシアの平原は、そのようなところだったのだ。
線刻のある石 8世紀
石にはベルトに様々なものを提げて馬に乗る人物が刻まれている。その人物はテュルク系だろう。
別のコーナー
左上 甲冑を着けた馬のイラスト ウズベキスタンのダルヴェルジンで発掘による出土
下 広刃の剣 ケトゥメンで発見
甲冑 後5-7世紀
すでにテュルク系の時代だったのかな。
重装馬の遺物のイラストによると、顔に付けていたのかな。
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関連項目
新羅の腰偑は突厥の金帯飾りに似ている