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イスタンブールでミマールスィナンの造ったモスクを見ていて、その前はどんな形のモスクだったかが気になって、オスマン帝国の古都を旅してきました。最後にはまたイスタンブールを訪ねます。 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2017年7月27日木曜日

シーラーズ ハムゼ廟とバザール


遺跡見学からシーラーズの市街地に戻って来て、ホシュク川のたもとにある聖ハムゼ廟を見学した。

添乗員金子氏の旅日記は、第8代イマーム・レザーの甥、聖ハムザ(806-835年)の霊廟。若くしてイマームを助けたが、スンニ派アッバース朝第7代カリフ・マアムーンにより、シラーズで殺害されたという。
タイル装飾の感じからも建物は古いものではない。
中庭から眺めるハムザ廟はシャーチェラーク廟に似たドームなので、おそらくここも19世紀に再建されたのだろう。シャー・チェラークは第8代イマーム・レザーの弟なので、彼にとってハムザは甥に当たる。
中庭の床には墓石と思われるものがあちこちに敷かれていた。
靴を脱いで中に入ると一面が鏡細工で荘厳されていた。鏡に映る緑色は、シーア派の色。
ドームは、鏡細工でムカルナスさえもどうなっているのか分からないくらい。アーチ・ネットの線はかろうじて判別できる。
ドームの下にハムゼの棺が置かれているが、柵のようなもので囲われている。
レザーさんは、ハムゼさんは当時のこの町の権力者と戦争して傷つきました。重傷を負って、近くの山の中の洞窟で生活していましたが、段々悪化して、その傷がもとで亡くなったんです。そして遺体はここに運ばれましたという。
棺の囲い。聖人廟は大抵このような外枠が付いている。ところどころガラスに丸い穴があいていて、お参りに来た人たちがお布施を入れている。
24金でできていますという。
一つの翼は尖頭ヴォールトの向こうにコバルトブルーのアーチ・ネット、その奥のムカルナスは他よりも大きな鏡片で構成されている。
鏡張りはイスファハーンのチェヘル・ソトゥーン宮殿で見たが、玄関柱廊(ターラール)の、天井と入口上のイーワーンだけだった。その技術が時代を経ても聖人廟に引き継がれてきたのだろうか、別の聖人廟でも鏡張りになっていた。
反対側の翼のムカルナス。
その下部。組子格子の向こうの中庭が透けて見える。
別の部屋では熱心にお祈りする人も(失礼)。ここも腰壁は大理石、上は鏡張りだが、明るい照明のせいか、あまり鏡の反射が気にならない。
扉の浮彫もみごと。
部屋の壁に墓石が埋め込んである。

その後ホテルに戻り、歩いてバザールへ。それは朝散歩したマスジェデ・ヴァキールのワクフの財源となっているバザール・ヴァキールだった。
朝は締まっていた商店街だが、各店舗は開いていた。
マスジェデ・ヴァキール(ザンド朝創建、1750-94年。カジャール朝時代修復)の左からバザールへ。バザールはザンド朝時代のままだろうか。
最初に服地や衣装の店が並ぶ。夕刻にはこの人混み。
続いて食料品街。バザール同じ業種の店が並ぶのは、互いに値下げしないためだというようなことを金子氏から聞いた。だから、バザールは高いのだとか。
ここはスパイス屋。
マーシュマロウの花。お茶にして飲むのかな?調べて見るとマーシュマロウはウスベニタチアオイのことだった。
この根のデンプンがマシュマロになることは知っていたが。

四つ角にお菓子屋さんが集まっていた。美味しそうだが土産物をここで買い足すには嵩張りそう。
レザーさんのお勧めはこのお菓子、マージュン。シーラーズ独特のものだという。暑い長旅でも大丈夫と太鼓判。
ココナッツやピスタチオ、アーモンドの他ゴマも入っていた。
巨大な丸いケーキ状のものをこんな風に切り、ラップを巻いただけなのに、ホンマに大丈夫?
でも、せっかくなので試してみたいと、そこそこのを買った。
酷暑の中をバスで長々と移動して心配だったが、多少の変形はあるものの、全くなんともなかった。
縦に切るのは難しいので、こんな風に切りわけ、ナツメヤシその他のお土産と共に少しずついただきました。
甘さ控えめで、瞬く間になくなってしまったけど。
左がココナッツ、その右がゴマ、右端が刻んだナッツが掛かったゴマ。

レザーさんについてどんどん進んでいくと、
四つ角の天井にはこんなドームが架かっていた。ちょっと古そう。
その内に外の光が射し込んできて、
サライエ・モシールという札がある。下部の黄色い箱はポスト。シーラーズでは別のポストに絵はがきを投函し、帰国までにちゃんと届きました。
ピンクが入っているけれど、花の描き方からみてザンド朝期のものかな?
中に入ると平たいドーム。
その先も同じドーミカル・ヴォールトが続く商店街。
そして中庭へ。サラーイェ・モシールのサラーイェはキャラバンサライのサライだった。
水とナツメヤシの実で渇きと空腹を満たして到着した隊商たちの宿泊所も、今では工芸品を売る店舗となっている。
観光客よりも、水辺に涼を求めてやってきた地元の人が多い。
中庭からはドームは見えない。
あの角から中庭に入って来た。
中庭にいたこのおじさん(何故かピンボケ)、カメラを向ける人にポーズをとっている。
遊牧民の伝統的な着衣をまとい、服がずれないように革のベルトを締める。別のベルトには銃弾?が。鉄砲は何時の時代のものだろう。


ナクシェ・ラジャブ サーサーン朝の浮彫← 
   →タンゲ・チョウガーン(Tang-e Chowgan) サーサーン朝の浮彫

関連項目
シーラーズで朝散歩
チェヘル・ソトゥーン宮殿(Chehel Sotun)

※参考文献
添乗員金子貴一氏の旅日記