お知らせ

イスタンブールでミマールスィナンの造ったモスクを見ていて、その前はどんな形のモスクだったかが気になって、オスマン帝国の古都を旅してきました。最後にはまたイスタンブールを訪ねます。 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2008年5月30日金曜日

2日目-12 塔谷(タップゴル 탑골)磨崖に芬皇寺と皇龍寺の塔


また川沿いの道に戻りしばらく走ると三叉路があった。先ほどと同じ茶色い標識があった、あと500mか、15:21。
これかなあ。そうそう、南山(ナムサン)が最初の남산で、次の탑골が塔谷(タップゴル)やわ。右の道に入ろ
でも道がいっぱい分かれとるよ
う~む、ま、とりあえず、川沿いの道を行ってみよう左カーブの先で未舗装となり、がたがたの上に砂利が一面にある悪路だった。MTBなのでなんとか自転車に乗っていけた。先は通行止めというところに、川というより溝の対岸にお寺があった。自転車を降りてお寺に近づくと人がいた。
アンニョンハセヨ
アンニョンハセヨ
タップゴル?どうも連れて行ってあげるからちょっと待ってと言っているようなので、その間に自転車をお寺に運んだ。そしておばちゃんがやってきたのでついていくと、この向こうにあるよと指さして戻っていった。
カンサハムニダ
道はついているので坂を登っていくと大岩が向こうに見えてきた、15:30。近づいてみると、想像していた以上に大きな岩だった。縦に何本か割れている。
北面に塔が2つ浮彫されている。その間には蓮華に座した仏が天蓋の下で微笑んでいる。
説明板によると、南山塔谷磨崖彫像群 慶州市排盤洞 山 69
ここは新羅時代の神印寺という寺院があったところで、南側に三重石塔があって「塔谷」と呼ばれている。また、磨崖彫像群は慶州南山にある高さ10m、幅30mの岩とその周辺にある岩に様々な姿で彫刻されていることから「磨崖彫像群」と呼ばれるようになった
という。 左の大きい方は九層で各層に風鐸がついている。皇龍寺の九層木塔かな。右の小さい方は七層で同じく風鐸がついていて、柱は2本になっている。こちらは芬皇寺の七層模磚塔かな。北側には互いに向かい合っている七重木塔と九重木塔の間に釈迦如来が蓮華の上に坐っておりという。模磚塔と違うみたい。
『慶州で2000年を歩く』で武井氏によると、679年に完成した四天王寺は薬師寺式、685年に完成した望徳寺も薬師寺式で四天王寺の南山寄りにあった。どちらの双塔も木塔だったらしい。当時慶州は皇龍寺の九層木塔や芬皇寺の七層模磚塔だけでなく、七層の木塔が多数そびえていたらしい。右遶していくと、大岩の東側も浮彫がたくさんある。中央の岩の下の方に仏と菩薩の坐像があり、それを数人の飛天が囲んでいる。説明板によると、真ん中に如来像があり、回りには飛天像、僧侶像、菩薩像、仁王像などが刻まれているという。上に三層石塔があるね
その隣の岩の浮彫が仁王さんらしいよ
う~ん、全然わからんね 石塔をぐるりとまわって大岩に戻ると、賑やかだった。仏三尊坐像は彩色されていたようだ。奈良の頭塔にある浮彫如来及両脇侍二侍者像よりもずっと大きいし、作風は素朴やね。
左の岩には下の方に僧が坐っている。その前に置かれた仏か菩薩の立像はこれらの浮彫とは別のものだろう。
さっきお寺でタップゴルの場所を聞いた時にいた坊さんがやってきていろいろ話しかけてくれるのだが、全然わからない。その内にたくさんの学生たちが集まってきて、坊さんが説明をはじめた。おっちゃんは仏像も撮るがリスも撮る。慶州はリスが多いのか、あちこちで見かけた。西側は岩があまり地表に出ていなかったが、下の方にはやっぱり浮彫があった。西側には枝垂れ柳と竹林の間に如来像があるという。一回りした。塔の前には二匹の獅子が刻まれているというのをじっくり見たけど、どう見ても獅子には見えへん。このようにたくさんの像が同じ場所に集まっているのは珍しいものであり、これまでの調査の資料によると計34点の像が確認されたという。お寺の方に降りるとまた三層石塔があった、15:53。南山の谷巡りはここまで。ここから統一殿のところにある南山案内所に行くことにした。 明日の南山巡りについて、所要時間やガイドについて聞いておきたかったからだ。
花郎橋のところでまっすぐな道となったが、どこが統一殿かわからず、建物があるたびに迷った。結構走ってやっと着いた統一殿は広い駐車場や休憩所などがあるところだったが、案内所はなかった。
同じ道を引き返し、花郎橋まで来た。
広い道を通ろう
右側を走行していたが、7号線に出ると両側に自転車道があったので、道路の左側の自転車道を通った。来る時はなかなか渡れなかった道路との交差点も、信号があったので命を賭けずに渡ることができた。

詳しくは慶州南山、塔谷磨崖群の東面はにぎやか慶州南山、塔谷の東面上部は山東省の影響?慶州南山、塔谷(タップゴル 탑골)磨崖群の南面には僧侶が3人慶州南山、塔谷(タップゴル 탑골)磨崖群の北面と西面

※参考文献
「慶州で2000年を歩く」(武井一 2003年 桐書房)