いよいよローマでの自由行動の一日が始まった。ローマ・パスを利用して乗り物に乗るのだが、旅行前に調べると、最初に機械を通して期日を刻印し、その後は見せるだけで良いということだった。しかし、昨日観光案内所で聞いたのは刻印するな、当てろということだった。
ホテルから地下鉄の駅までのバスに乗り、運転士にローマ・パスと言って見せたら頷いただけだった。運転席付近には機械はない。少し中に進むと黄色い機械があり、ローマ・パスを当てるような部分を見つけたので、ローマ・パスのバーコードの部分をそこに当てると音がした。やれやれ。
その次の心配は下車したい時にどうするか。アナウンスがないので、下車する前のバス停の名前も覚えておいて、そこを過ぎたら、ところどころにあるボタンを押すのだった。
地下鉄の改札でも同様にタッチすると入ることができた。ローマ・パスにつていはこちら
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マンゾーニ駅で地下鉄を降りて地上に出た。3番のトラムの乗り場はどこだろう。このエマヌエーレ・フィリベルト通(Via Emanuele Filiverto)を少し南へ歩いてみたがトラムの停留所らしきものがない。
すでに8時半、予定ではもうパラティーノに入場する時間だ。遅れたのはホテルで6時半に朝食をとるつもりだったが、7時からでないと食堂が開かなかったからだった。
左折してマンゾーニ通(Viale Manzoni)に入るとトラムの停留所が見えた。しかし、歩道から離れているし、どないして電停まで行ったらええの?
結局ローマっ子のまねをして、道路の真ん中を通って電停まで行った。先頭にある路線と停留所の案内板で下車する電停の名前を探すと、コロッセオ(Colosseo)の次にパルコ・チェリオ(チェリオ公園、Parp Celio)がある。その次はアヴェンティーノ(Aventino)で2つ停留所があるらしい。どっちがパラティーノ(Palatino)に近いのだろう。
5分待って3番のトラムがやってきたので、運転士にローマ・パスを見せようと前から乗車するが、混んでいたのでそれができなかった。
次のバス停で刻印機を見つけてタッチしようとすると、その横に坐っていた客が必要ないといった身振りをする。そう言えば切符を刻印している人が1人いたが、他の乗客がタッチしたりスタンプしているのを見かけない。3つある乗降口のどこからも乗り降りしている。
やがて右の窓に遺跡が見えてきた。ネロの黄金宮殿、ドムス・アウレア(Domus Aurea、2010年現在見学不可)かな。
トラムはラビカナ通(Via Labicana)を走っている。ドムス・アウレアの遺構にしては近すぎるような。ここで右の座席が空いたので坐った。
路面電車にしてはレールの金属音が聞こえんなあ
ゴムのタイヤみたいに乗り心地がええわ
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トラムは左折してコロッセオに沿って走っていく。やっぱり次で降りた方がよさそうだ。ボタンを押してみた。
すぐにパルコ・デル・チェリオ通(Viale del Parco del Celio)に入った。グ-グルアースで上空から見ると電停とパラティーノの丘の入口はほぼ東西に並んでいるので、その間を通ることができたら近いなと思っていたが、実際には塀があった。
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トラムは停車して我々を降ろすとすぐに走り去った。タイヤを付けていた。
やっぱりトラムと違ってバスじゃ
反対方向からも3番がやってきたが、トラムではなく、確かに普通のバスだった。これから路面電車になっていくのか、それとも路面電車をやめてバスになってしまったのか。
坂を下りていくとパラティーノの丘の建物遺構が見えてきた。道路にまで出っ張っているのはクラウディウス水道橋の橋脚(Arcate dell’Acquedotto Claudio)だ。
勢いよく車が往来する中をどうやって渡ろうかと心配していたら横断歩道があった。ほっとして信号のボタンを押した。
一瞬で横断歩道が青になった。歩行者優先だなあと日本流に渡っているとすぐに点滅しだしたので、あせった。渡りきるともう赤になった。ローマの歩道の信号はすぐに点滅しだすことが後になってわかってきた。道路は早足で渡ろう。文字通り、郷にいれば郷に従え(When in Rome,do as the Romans do)だ。
横断歩道を渡るとパラティーノの丘の東側の入口の正面だ。補修工事中だったが、これはローマ時代のものではない。奧にアーチ列が見えている、8時48分。少し時間を取り戻した。