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イスタンブールでミマールスィナンの造ったモスクを見ていて、その前はどんな形のモスクだったかが気になって、オスマン帝国の古都を旅してきました。最後にはまたイスタンブールを訪ねます。 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2013年9月23日月曜日

ペロポネソス半島5 オリンピア1 遺跡の最初はローマ浴場


曇ったり、時雨れたりする空の下をミケーネからオリンピアへ移動した日の夜、窓の外には三日月が出ていた。
明日は晴れるかも知れないという期待の持てる夜となった

翌朝は快晴だった。
出発までの時間にホテルの近辺を散策していて、面白いものを見付けた。
風見鶏かと思ったが、全く動かないが、こちらが動くと鳥の形が見る方向で違って見える。煙突のカバーらしかった。
この地方独特のものかと思ったら、行く先々でお目に掛かった。
ホテルはオリンピアの町外れにあったので、町を見下ろしながらバスは遺跡に向かって行った。
左下がオリンピアの街並み、中央右寄りの山の中にあるのは考古博物館。
そして町に入ることもなく、かといって遺跡が見えるわけでもないこんな所で下ろされてしまった。
町の南東にオリンピアの遺跡は広がっている。

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オリンピアは緑の多い町で、もう花の季節は終わってしまったと思っていたが、野花がちらほら咲いていた。
クラディオス川の橋を渡る。正面に見える山はクロノスの丘と呼ばれている。オリンピアの遺跡はゼウスの聖域で、クロノスはゼウスの父。

『古代ギリシア遺跡事典』は、真夏でもアルカディアから清冽な水が流れ下るアルフェイオス川のほとり、鬱蒼とした松の木におおわれたクロノスの丘の麓に広がるゼウスの神域オリュンピア。古代オリンピック競技会が創始された前8世紀からキリスト教の普及によって廃止される後4世紀末までは、まさに古代地中海文明の時代そのものだった。

競技会は古代ギリシアの各地で行われていたが、そのなかでもオリュンピアを筆頭とする4つの競技会(オリュンピア競技会、ビュティア競技会、ネメア競技会、イストミア競技会)は、「冠の競技会」として特別視され、広く古代ギリシア世界の各地から参加者を集めていた。というのは、これらは古い由緒を誇るばかりではなく、そこで優勝した者に与えられるのが、あくまで名誉の象徴であって金銭的な価値のまったくない植物(オリュンピアでは野生のオリーヴ、ビュティアでは月桂樹等)の冠だけだったからであるという。
イストミアについてはこちら
しかし、このことは逆に、その冠に絶大な価値を与えることになった。一介の農民の息子からローマ皇帝まで、ギリシア文化をともにする地中海世界の隅々から、人々はかけがえのない名誉を求めてオリュンピアのような聖域に集った。そのなかにあって、最古の歴史を誇るオリュンピアは、さらに別格だったのであるという。
現代ではその遺跡を見学する人々が世界各国から集う地。

森の中を歩いて行くと、左側に早速遺構を発見。
実はクロニオンの浴場跡があるはずと見当をつけていた。
ロープが張ってあり、中には入れないが、思ったよりも広い。
説明板に北上空から写した浴場跡の写真があった。
「OLYMPIA」は、聖なる道を進むと、左側に最初に現れる建物は、クロニオンの浴場または北の浴場である。ヘレニズム時代の浴場の上にローマ時代に築造された、複合的な大きな建物である。柱廊はローマ時代の豪華なモザイクで装飾されていた。モザイクは、海馬に牽かれる戦車のトリトン、イルカに乗るネレイスなど。地震で倒壊したが、後3世紀に再建されて大きくなったという。
写真ではよくわからないが、平面図で、ローマ浴場に特徴的な、アプシスのような半円形の出っ張りが3室に設けられている。
ポンペイのスタビア浴場ほど整ってはいないが、熱浴室や冷浴室などがあったようだ。
 これがトリトンのモザイク。周囲の文様帯に卍繋文がある。

その南側に、クロノスの丘の裾にも遺構があった。

17 プリュタネイオン 
『オリンピアとオリンピック競技会』は、神域の北東端に建っていたプリタニオンは、中庭を中心として、その周囲にいくつかの部屋が配置された四角形の建物である。プリタニオンには「かまど」の女神ヘスティアに捧げられた祭壇があり、そこには一年中絶えることなく聖なる火がともされていたという。オリンピック競技会の初日に犠牲獣がこの祭壇に捧げられる慣わしであった。中庭は会食の場としても使用され、競技会での優勝者を祝する晩餐会が催されたという。
オリンピックでは重要な建物跡だった。
想像復元図だけを撮っていた。眺めている通路の近くには門もあったらしい。
祭壇は中央の部屋にあったのだろう。
やはり中には入れないので、適当に写真を写したら、向こうにヘラ神殿やトロスが入っていた。

      ミケーネ9 トロス墓← →オリンピア2 オリンピック競技のための施設

関連項目
スタビア浴場を見学したかった理由
オリンピア12 オリンピアのトロスはフィリペイオン
オリンピア11 宝庫の軒飾り・棟飾り
オリンピア10 スタディオンの西に並ぶもの
オリンピア9 ヘラ神殿界隈
オリンピア8 博物館4 青銅の楯
オリンピア7 博物館3 ゼウス神殿のメトープ
オリンピア6 博物館2 ゼウス神殿破風の彫刻
オリンピア5 ゼウス神殿
オリンピア4 博物館1 フェイディアスの仕事場からの出土物
オリンピア3 フェイディアスの仕事場

※参考文献
「古代ギリシア遺跡事典」 周藤芳幸・澤田典子 2003年 東京堂出版
「OLYMPIA THE ARCHAEOLOGICAL SITE AND THE MUSEUMS」 OLYMPIA VIKATOU 2006年 EKDOTIKE ATHENON S.A.