お知らせ

中央アジア各国そしてイラン旅行記が完成し、フランス南西部のオクシタニー地方の旅に入りました。
その中で気になるものについては、忘れへんうちにに記事を載せていきます。

2013年11月14日木曜日

デルフィ11 デルフィの町とギュムナシオン


デルフィの遺跡を見学後、お昼を食べに現在のデルフィの町へ。
町は急な斜面に造られているため、横方向の道路は一方通行、縦の細い通りは車の通れない階段となっている。町の下は崖。

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道路の南側のレストランの一つに入り、一番奥のテーブルへ。
景色の良い、涼しい風の入ってくる座席だった。
崖の間の谷と、その先に広がる平野の緑はオリーブ林。その向こうにはイテア湾が見えている。中央右の道路に見えるものは水路だった。どこから水を引いてくるのか、聞いたと思いが、もはや記憶にはない。
外に出ると近くに縦の通り、つまり階段。
こちらは山側。 時間があれば登ったり下りたりしてみたかった。
通りに面してレストラン、小さなホテル、土産物屋などがひしめいている。
バスはこんな狭い通りで路上駐車できないので、町外れまで歩いて行くことに。お陰でウインドウ・ショッピングができた。
小さなスーパーで水を調達。
土産物屋にはギリシア陶器のレプリカが並んでいる。しかし、まだ旅は始まったばかり。ここで買うと荷物が重くなるので最後にしよう。そう思いながら旅を続け、結局最後のアテネでは土産物屋の並ぶ界隈は通らず、買わずに終わってしまった。
白地キュリクス 前480-470年頃 ある墓より出土 アテネの陶器画家の作品
考古博物館の説明板は、ギンバイカの葉のリースを被り、ライオン脚の椅子に坐り、白いペプロスを着て赤いヒマティオンを左肩に掛けたアポロンが描かれている。左手は竪琴の弦に触れ、右手で器からワインを注いで献酒しているという。
何のための円い枠なのか、アポロンの右足とカラスの尾がはみ出しているのが面白い。
それに、この絵のために、2つの把手が真横にはならない。

町の外れまで行くと大木のつくる木陰の下でお茶している人達がいた。
暑い暑い日中に、涼しい風に吹かれながら、こんな風にゆったりとした時を過ごしてみたいものだ。
ギリシアでもマグノリアというらしいタイサンボクの花を、運転手のコスタスさんが枝を掴んで近くで見せてくれた。
昔は実家にあった懐かしい花だ。高い木だったので、こんなに間近に花を見たことはなかった。その花をギリシアで見ようとは、その上、その名称から中国原産だと思っていたのに、北アメリカ原産だったとは。

バスが動き出すと間もなく、山側に人が集まっていた。
これがカスタリアの泉だった。
『ギリシア美術紀行』は、アポロン神域の東手前約700m、バス道路が直角に急カーブするその山側の道路沿い、ファイドリアデスの屏風岩が2つに裂ける峡谷下に、「カスタリアの泉」の遺跡がある。いわば巨大な切石造りの四角い(8.20X6.64m)浴室みたいなもので、現在も床面に降りる石段が残っている。古代この泉水で神殿を洗浄し、祭司や役人そして巡礼者はここで身を潔め、詩人は霊感を授けられたと伝えられる。1959年に発掘されたこの泉はアルカイク時代からローマ時代初期まで使用されたまさにギリシア時代の泉であるという。
蛇口はやっぱりライオンだった。

また同書は、ギュムナシオンはカスタリアの泉の急カーブの所からさらに少し行った、今度は谷側のオリーヴ樹林の中に残っている。
ギュムナシオン(体育練習場)は斜面を利用した上下二層のテラスより成り、上層に、先に見学した正規のスタディオンの競争路の長さに等しいそれを備えた(184.83m)列柱廊など、下層に、パライストラ(角技練習場)や冷水、温水の浴場の施設などがあった。現在も冷水プールの跡がよく残っているという。
アポロンの神域の最上部にある劇場の上から眺めたギュムナシオンを道路から見下ろす。
ギュムナシオンの想像復元図(『DELPHI』より)
道路からは、長々とのびる④列柱廊と②プールは分かった。
デルフィはオリーブ林の中にあるとよく言われるが、空に向かって細長く伸びる糸杉が印象的な遺跡だった。

デルフィ10 アポロンの神域9 スタディオン←         →オシオス・ルカス修道院1

関連項目
デルフィ9 アポロンの神域8 劇場
デルフィ8 アポロンの神域7 アポロン神殿
デルフィ7 アポロンの神域6 デルフィの馭者像
デルフィ6 アポロンの神域5 青銅蛇の柱に載っていたのは鼎
デルフィ5 アポロンの神域4 ハロースに埋められていたもの
デルフィ4 アポロンの神域3 アテネ人の宝庫

デルフィ3 アポロンの神域2 シフノス人の宝庫
デルフィ2 アポロンの神域1 シキュオン人の宝庫
デルフィ1 まずはアテナ・プロナイアの神域から


※参考文献
「ギリシア美術紀行」 福部信敏 1987年 時事出版社
「DELPHI」 ELENI AIMATIDOU-ARGYRIOU 2003年 SPYROS MELETZIS