お知らせ

イスタンブールを旅してきました。目的は、ミマール・シナン(正しい発音はスィナン)の建てたモスクやメドレセ・ハマムなどや、ビザンティン帝国時代の聖堂の見学でした。でも、修復中のものもあり、外観すら望めないところも多く・・・ 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2016年1月7日木曜日

ヒヴァのジュマ・モスク3 ミナレットに登る


ジュマ・モスクの32.5mあるというミナレット。
思えば、本格的なミナレットに登るのは初めてだ。ブハラのチャール・ミナールは低かったし、ミナレットの頂部まで登れるのかと思っていたのに、階段を登っているうちに、モスクの屋上に出てしまったのだった。やっとミナレットというものに登ることができる。

モスクを入ったところで料金を払い、低い塀を過ぎると、そこに階段があった。
白い壁が幾分内側に出っ張っている。
6段上がって入口を入ると、何もない。
突き当たりから登り始める。一段が高いので、かなりの急傾斜。
そこはもう闇の世界。ヘッドライトを装着して登っていく。
 落ちない程度には明かり取りの細い窓が開いている。
地図、地図。⑨がジュマ・モスク。

二つ目の窓。南側が見えているみたい。
メインの通りの西側北あたりかな。⑩マトパナ・バヤ・メドレセが見えている。
かなり高くなって西側の①モハメド・アミン・ハンのメドレセと③カルタ・ミナーレなどが見えた。
頂上に近づくと明るくなり、階段もよく見えるようになってくる。
そして階段を登りきると、直径2mもない。アザーンを呼びかけていたこの場所は、階段の穴のあるかなり危ない床だった。
床から落ちないように気をつけながら、四方に開かれた窓から景色を眺める。

東側は足場が悪く近づけない。

南側
ヒヴァで一番高い㉑イスラム・ホジャのミナレット。そして地平線との間に城壁が見える。
ヒヴァに到着した時に通った、㉓タシュ・ダルワザ(南門)前の通り。その左側には古い城壁が残っている。
目線を落として近くの青いドームの付近を眺める。
㉑パフラヴァン・マフムド廟。回りには中小の墓廟がひしめき合っている。

西側
遠方から。朝散歩で前まで行った⑤ビカ・ジョン・ビカのミナレット(1894年)、④オタ・ダルワザ(西門)、③カルタ・ミナーレ、宿泊した①マトニヤズ・デヴァンベギのメドレセ、中庭を2段の屋根で覆ったレストランとなっている②マトニヤズ・デヴァンベギのメドレセ、向かい側の小さな⑦シェィフ・ムフタル・アタのモスク、手前にはドームの2つある⑧カズィ・カリヤン・メドレセ(1905年)。
カルタ・ミナーレの向かい側には⑥クニャ・アルクの東門謁見の間アク・シェイフ・ババの見張り台は日陰になっているので、二階建てのアイワーンの様子がわかりにくい。手前にモスクの小さな円柱が2つ、右端にはハレムらしき建物。
モハメド・ラヒム・ハンのメドレセは西の門構えの裏側の構造や屋根にのっているドーム、出入り口の出っ張りなどがよくわかる。

町の中心部

北側
2つのメドレセは建物と中庭の構造がよく見える。
左はクニャ・アルクと広場を挟んで立っている⑲モハメド・ラヒム・ハンのメドレセ。チャハール・イーワーン(4イーワーン)形式で、右のアラブ・モハメド・ハンのメドレセはドゥー・イーワーン(2イーワーン)形式。
遠くに城壁が西から北へと続いている。
ヒヴァのイチャンカラ(内城)には、現在も人が暮らしている。民家の向こうには㉔ボグチャ・ダルワザ(北門)。

ちょっと東に目をずらすと、小さなモハメド・アミン・イナクのメドレセ、更に東に⑬タシュ・ハウリ宮殿の大きな建物群。タイルで覆われたハレムは水色に見えている。

ところで、ミナレットの降り口は東側にある。段は木製で、見ている分には摩滅した木目がなかなか良いのだが、窓はその降り口にあるのだった。

落ちないように気をつけて、東側の窓を覗いてみる。
なんという地平線!そこから突き出ている2つの細い塔はミナレットかな?
手前から左にドゥー・イーワーン形式の⑫クトゥルクグ・ムラドヶイナクのメドレセ、右にイーワーンのない⑪アブドラ・ハンのメドレセ
ズームすると、その奥に白い⑮アク・マスジドの屋根は板のように平らで、四角い壁から直接ドームが載っている。その右奥にドームがぎっしりと並んでいるのはアヌシャ・ハンの浴場
左向こうに青いタイルの目立つ⑭アブドゥラ・ハンのメドレセ。チャハール・イーワーン形式かな。
パルワン・ダルワザ(東門)の小さなドームがその南壁にくっついて5つ。
デシャンカラの⑰サイード・ニヤズ・シェリカーボイもたくさんドームのあるモスクだった。そのミナレットは、朝散歩していた時に、おじさんが身振り手振りで説明してくれたのだった。
ミナレットに登ると、四方の地平線が見渡せる。かつては監視塔としての役目もあったのだろうか。
そして、近くを見下ろすと、歩いただけではわからない、建物の外壁の向こう側にある中庭の様子や、屋上にあるドームの形、そしてドームの並ぶ様子などが見えて楽しい。

でも下りは一層気をつけて。人とすれ違うのが大変。

         ヒヴァのジュマ・モスク2 内部

関連項目
空色嵌め込みタイル1 12世紀
ヒヴァのジュマ・モスク1 外を眺める
ヒヴァで朝散歩1 デシャンカラに出てみた
ヒヴァで朝散歩2 イチャンカラのメイン通りを東へ
ヒヴァで朝散歩3 東門あたり

※参考文献
「UZBEKISTAN The Great Silk Road TOURIST MAP」 Cartographia 2009年