お知らせ
イスタンブールでミマールスィナンの造ったモスクを見ていて、その前はどんな形のモスクだったかが気になって、オスマン帝国の古都を旅してきました。最後にはまたイスタンブールを訪ねます。
詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。
2018年2月1日木曜日
イラン国立博物館1 青銅器から鉄器時代
テヘラン国立博物館へ。
Google Earthより
博物館は、イランらしく大きなイーワーンのある焼成レンガ造りの建物で、
そのイーワーンに吸い込まれるように入っていった。
古い時代のものから見ていくと、
刻文のある磨研土器断片 ヤニク文化、前3200-2700年 東アゼルバイジャン州ヤニク・テペ出土
復元図
フレスコ画 前3100-2900年頃 ファールス州マルヤーン(前3千年紀エラムの首都だったアンシャン)出土
数色の横縞だけの壁画は、縞大理石文様で部屋を装飾していたのかも。
フレスコ画 前3100-2900年頃 マルヤーン出土
蔓草を表しているのかも
布地断片 前3千年紀 シスターン・バロチスターン州出土
彩絵大甕 前3千年紀 ハマダン州ギヤーン出土
胴部には2種類の幾何学文様を並べた文様帯が2列、上下で文様の配置をずらしている。頸部には牛のような動物が浮彫で表されている。
青銅製容器 前3千年紀 ケルマン州シャハダード出土
ガラスケースに床が写ってしまった。
見込み中心に円、それを4匹の細長い魚が四角く囲み、更に5匹の細長い魚が五角形に囲む。イスラームの遙か以前から、この地には幾何学形を組み合わせた文様への嗜好があったのかも。
シャハダードは、スーサを追われたエラム人が新たに都を置いた地。青銅製の軍旗(スタンダード、前2400-2200年頃)も出土して、同館に所蔵されている。
シャハダード
クロライト製容器 前3千年紀
クロライト製品についてはこちら
男性胸像 前3千年紀 土製 ケルマン州シャハダード出土
合掌しているように見える。神ではなさそう。
高坏 前3千年紀後半 シスターン・バロチスターン州出土
展開図
説明は、山羊が木に向かい、登り、葉を食べ、下りるという5つの場面を、アニメーションのように描いているという。
土器類のコーナー
彩絵壺 前1千年紀 カシャーン、テペ・シアルク出土
嘴と把手付きでもくっきりとした幾何学文様が描かれている。
彩絵壺 前1千年紀
嘴と把手付きで胴上部に石畳文、下部に角を突き合わせる鹿が描かれる。
動物装飾のある壺 前1千年紀 西アゼルバイジャン州ハッサンル出土
高い器台は三足で、両手足を広げた人間が3体組み合わされている。
把手付き嘴形壺 前1千年紀初頭 コム州ゴリ・ダルヴィシュ出土
嘴付き壺は各地方で製作されているが、それぞれに形状に特色がある。この容器の把手は胴部に取り付けられていて、使い勝手は良くなさそう。
陶製棺 前1千年紀 西アゼルバイジャン州ハッサンル出土
湯船に見える。
彩釉レンガ 前1千年紀 西アゼルバイジャン州ブーカーン出土
ブーカーンといえばマンナイ(マンナエ)国の町。日本で所蔵されている彩釉レンガを見る機会はあったが、イランでは初めてだ。
マンナイ人の彩釉レンガについてはこちら
矩形レンガの四隅に向かって葉もしくは蕾が中心から出ている。それぞれの間には横向きの花
絵付け施釉壺 前1千年紀 コルデスターン州ジヴィエ出土
羊のような動物が前肢を折って花文の左右で向かい合っている。
黒い輪郭線の外に色釉がはみ出すことなく焼き上がっている。
ジヴィエ出土彩釉壺はも他に牡牛文の壺(前8世紀、メトロポリタン美術館蔵)を取り上げたことがあるが、それは施釉ファイアンスとされているので、この壺もファイアンスかも。
サミラン砦← →イラン国立博物館2 エラム時代
関連項目
イラン国立博物館 チョガー・ミシュという遺跡
イラン国立博物館 クロライト製品
軍旗とスタンダード
彩釉の容器にも輪郭線
マンナイ人の彩釉レンガ
イラン国立博物館5 サーサーン朝時代
イラン国立博物館4 パルティア時代
イラン国立博物館3 アケメネス朝時代