お知らせ

イスタンブールでミマールスィナンの造ったモスクを見ていて、その前はどんな形のモスクだったかが気になって、オスマン帝国の古都を旅してきました。最後にはまたイスタンブールを訪ねます。 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2011年8月27日土曜日

1-27 昼食はスルタンアフメット駅付近でキョフテ

アヤソフィアの見学の後、お昼はスルタンアフメット駅近くでキョフテを食べることにしていた。
調べてみるとセリム・ウスタ(Tarihi Sultanahmet Koftecisi SELÍM USTA)という店のキョフテ(Köfte)が美味しいらしい。

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トラムヴァイの線路を渡る。この一帯で舗道や道路の整備をしている。
向こう側にはぎっしりと白い花を咲かせる木があった。
16年前と比べてこの辺りはずいぶん小ぎれいな街になった。当時はこの辺りにはロカンタ(Lokanta)という、暖かい煮込み料理(スル・イェメッキレリ Sulu Yemeklerí)を並べてあって、食べたいものを指さすと皿に盛ってくれ、レジで支払ってから食べるという、セルフサービスに近い、言葉が通じなくても食事のできる食堂が並んでいた。その一軒に入ったのだが、歩いていてもそんな店は見当たらない。
この細長い細い石は「ミリオン」という。
黄色いプレートには、「全ての帝国の領土の端への道路の距離をここから測った、ビザンティン時代の凱旋門の残骸、後4世紀」と書いてある。ここに凱旋門を建てたのはコンスタンティヌス帝かな?コンスタンティヌス帝はフォロ・ロマーノとコロッセオの間に凱旋門を建てている。
ミリオンよりも、あの建物の残骸のようなものの方が目に付く。
その横は公園になっているらしく、階段を下りている人がいる。木陰で涼しいかも。その向こうにはイエレバタンというビザンティン時代の地下貯水池への入口があったはず。
もし見つからなかったら、この辺りでドネルケバブでも食べよう。
しかし、セリム・ウスタの店はすぐに見つかった。1920年創業の老舗らしい。
まだ11時半なので、客は少ない。午後になると行列ができるらしいので、早く店に着いてよかった。しかし、夏休みのせいか、女の子たちがお店の中を歓声をあげながら走り回るのだった。
入口から入ってすぐに調理場があって、キョフテを焼いているのが見えた。
パンはサービスで置いてある。飲み物はアイランを頼むと、今時の容器で出て来た。
16年前にエフェソスに近い町のレストランでアイランを頼んだら、大きなコップで出て来て、それを飲んだだけでお腹が一杯になってしまったが、この大きさなら大丈夫そう。
アイランとは、ヨーグルトを水で薄めたような飲み物で、これを飲んでいるとお腹をこわさないらしい。
塩味(といっても塩辛いという程でもない)なので暑い時に飲むと熱中症の予防にもなるとか。
サラダは、ビヤズ(Piyaz)という白インゲンの入ったもの(上)と羊飼いのサラダという意味のチョバン・サラタス(Çoban Salatasi、下)を頼んだ。
レモンを絞って食べるのがトルコ風らしく、今回の旅行ではレモンだけが付いて出て来たが、他の料理に油や塩を使っているので、レモンだけの味付けでちょうどよかった。
最初は二人ともキョフテにするつもりだったが、メニュ(写真を取り忘れた)をめくっていて、羊肉のところにkusi(クズ)というのが目に付いた。トルコ語でクズは女の子という意味で笑ってしまった。前回のトルコ旅行の後で買った『トルコで私も考えた』という漫画とエッセイが一緒になったような本で、
私たちもkiz(クズ)
「クズ」といわれるたびに何故かムッとしてしまうんですよね。他に呼び方はないんでしょうか・・・
な・・・なるほどそういえば・・・でも、「クズ」は可愛いと思うが・・・
という場面があって、クズというトルコ語は覚えていた。それも注文してみよう。

キョフテは1皿に長方形のものが6つと青ピーマンがついてきた。フライパンではなく、炭火焼きのようで、ハンバーグのような油っぽさがない。その後キョフテは何回か食べたが、ジューシーさはここのが一番だった。
クズはシシ・ケバブ(Şiş Kebabi)だった。串から外した小さな肉片がドサッという感じで盛られて出てきた。全く臭いがなく、柔らかい。

もちろん青ピーマン付き。このピーマンは「トル考②」(と著者も略しているので)でビベル(Biber)として詳しく出ている。
ひー辛い、辛いビベルは本当に辛い
トルコ人も涙を流しつつでもやめられないのは日本人のわさびみたいなもんですね
というのを覚えていた。ホンマに辛いが、部分によってあまり辛くないところと辛いところがある。

ピリ辛ソースはキョフテに付けて、クズのケバブはそのままで食べるのがいいみたい。
ある程度食べてから写真を取り忘れているのを気がついたのでやや貧相になってしまった。
我々よりも先に隣で食べていた人が、体の調子が良くないのか、なかなか食べ終わらない。お店の人が冷めたキョフテを暖め直してやっていた。
我々といえば、モリモリ食べてしまったので、冷める間もなかった。
水、ス(su)はペットボトルのがあったが、まさか持ち込みのものを飲む訳にはいかないので、1本頼んで、サービス料が付いて2人で45TL。1人1000強で日本並み。16年前はロカンタで2人で1000円くらいだった。

※参考文献
「地球の歩き方E03 イスタンブールとトルコの大地」(2011年 ダイヤモンド・ビッグ社)
「トルコで私も考えた①」(高橋由佳利 1996年 集英社)
「トルコで私も考えた②」(高橋由佳利 1999年 集英社)