お知らせ

イスタンブールを旅してきました。目的は、ミマール・シナン(正しい発音はスィナン)の建てたモスクやメドレセ・ハマムなどや、ビザンティン帝国時代の聖堂の見学でした。でも、修復中のものもあり、外観すら望めないところも多く・・・ 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2011年11月18日金曜日

2-13 リュステムパシャ・ジャーミイ6 西壁のタイル2

C君がまだ?という顔をしてうろうろするが、我々は動じない。じっくりと見ていく。

モスクから西側への出入口の両側のタイル壁面。
C君は諦めて、幕の隙間からモスクの中をのぞきこんでいる。

右側は、文様帯には赤い色が使われているが、広いところにはハタイ(蓮の花や蕾など)がトルコブルーとコバルトブルーだけで表されている。その中に、下から2m辺りに一つだけ文様の異なるタイルが嵌め込まれている。
それはマッカ(メッカ)のカアバ神殿を描いたもので、四方からモスクやミナレットがマッカに向かって建っている。ミフラーブではないが、マッカの方向を表すものだろう。
左側は華やかだ。それにしても何故入口の両側が同じ文様になっていないのだろう。
トルコブルーの壁龕状のものに花柄がぎっしりと描かれている。やっぱりこれもマッカの方向を示すものだろうか。
アーモンドの花と勝手に呼んでいた枝にぎっしりと並んだものは五弁花だったが、ここでは六弁花になっている。
中央から出ているのはサズと呼ばれるもので、ぐるぐるとリボンのように巻きついている。
サズについて『トルコの陶芸』は、葦のような羽状の羽模様。蔓文と絡みあう形で描かれることが多いという。
他にはヒヤシンス、チューリップ、ナデシコなどが描かれているが、根元のサズ以外は左右対称ではない。
コーランの言葉もある。文字の中で目立つのは中央の横線。右途中から左の端へと続いているが、それが上下2枚のタイルの境目に描かれている。1㎜も文様をずらさない工人の自信を表しているようだ。
イズニクタイルのトマトの赤とも呼ばれる美しい赤い色の最盛期が、20年ともいわれるくらい短いのは、リュステム・パシャのせいではないかと思えるほど、このモスクのタイルには赤い色がたくさん使われていた。それでも、遠くから見ると青く見えるのだが。
リュステムパシャ・ジャーミイのタイルの本があったので購入。写真集なので文様の名称や解説がないのが残念。値段はもう忘れた。
入口近くにウォーターサーバーがあった。C君は我々の持っているペットボトルにその水を足せという。ちょうど喉が渇いていたので、まず飲んで、それから満杯に注いだ。
同じ階段から出る。C君はどこから取り出したのか、キャンデーをなめていた。

※参考文献
「トルコの陶芸 チニリキョスクより」(1991年 イスタンブル考古学博物館)
「THE TILES of RUSTEM PASHA MOSQUE」(Aytaş Dalgalidere 2008年 Fikir Ofisi)