お知らせ

イスタンブールでミマールスィナンの造ったモスクを見ていて、その前はどんな形のモスクだったかが気になって、オスマン帝国の古都を旅してきました。最後にはまたイスタンブールを訪ねます。 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2012年1月12日木曜日

1日目3 ハラン・ハウス

遺跡を見た後はハラン・ハウスへ。
入口もドームの変形みたい。
一つの部屋につきドームは一つ。小さな部屋が連なって1軒の家になっている。壁よりも屋根の方が大きいように感じる。
壁際にいろんなものが置いてある。まず目に付くのが車輪。そして石製のもの。ハラン遺跡に転がっていたものを再利用しているようだった。
右から3つ目にある金属の脚付きの素焼きの壺は、水を入れておくと器体に滲み出した水分が蒸発して気化熱が奪われることを利用して、冷たい水を飲む装置、古代以来のウォーターサーバーだ。
その隣の板は扉ではなく脱穀板とか。
左の壁際にも甕などがが置いてあった。
左のものは円柱の柱頭で、ウル・ジャーミイにあった角柱の柱頭の装飾と同じではないが、植物の葉のモティーフという点では共通している。
そして中庭に置いてあった臼も、柱頭の中を彫り込んだものだろう。これだけが黒い石でできている。マウンドの古い遺跡にあったのかな。
中に入ると天井は低い。いや天井というよりも、部屋と部屋の間の出入口が低い。天井はドームなので高いのだが、一つの部屋は広い空間という感じがしない。
こちらは居間。二つの部屋の壁を可能な限り取り払って、広間にしている。このように坐ると広く感じるかも。
別の部屋は台所。山羊の皮袋にミルクを入れて揺らすとヨーグルトができるという実演。
壁には釘でも打ってあるのだろうか。スプーンから鍋まで掛けてある。
そして天井は日干レンガを持ち送りにして造った円錐形のドーム。頂点はあいていて明かり取りになっている。
私が時々話題にするドームは半球またはそれに近い形の曲面に仕上げたドーム。円錐ドームは型枠がいらないため、代々受け継がれてきた技で、人々が造り続けてきたのだろう。だから、大きな部屋は造れないともいえる。
夏涼しく冬暖かいです。赤い日干レンガですが、黒いのは料理をしたりして火を使ったために、煤がついています 
もちろん壁も日干レンガを積み上げたもの。屋根も壁も日干レンガで造って、泥などで仕上げる。どうも頂部は穴から雨が入らないように日干レンガでカバーをしているらしい。
バスまで行くとセリ科の群生があった。乾いた土地なのに、ここだけ水があるのだろうか。