お知らせ

中央アジア各国そしてイラン旅行記が完成し、フランス南西部のオクシタニー地方の旅に入りました。
その中で気になるものについては、忘れへんうちにに記事を載せていきます。

2018年2月19日月曜日

イランガラス陶器博物館 1階


テヘランには、イラン国立博物館の北にガラスと陶器の博物館がある。
この建物はイランのガラスと陶器博物館のホームページによると、90年ほど前にアフマド・カヴァムという人が個人の住まいと仕事場として建造した。
のちに7年間エジプト大使館となり、銀行パーレビとなった。
1976年にパーレヴィ国王のファラ王妃の執務室となり、イラン、オーストリア、フランスの考古学者が博物館に改装したという。
窓上部は装飾的だが、壁面が焼成レンガのため、落ち着いた雰囲気の建物だ。
イスラーム的な幾何学文様と窓のアールヌーヴォ風の装飾が違和感なく融け合っている。
付け柱の浮彫も今まで見てきたイスラーム的なものとは違う。

まずガラスや色の原料見本のコーナー。
床には考古学的な発掘現場と、発見された遺物の仮想展示があった。遺物の時代はそれぞれ異なる。

古代ガラスのコーナー

多色ガラス棒 前2千年紀 チョガー・ザンビール出土
窓に斜めに並んでいたもの。木製の窓枠を付けたものはイラン国立博物館に展示されていた。

ガラスの首飾り 前3-1世紀 ギーラーン出土
説明ではcut decorationとされている。 
首飾り 時代・出土地不明
こちらはガラスの色が残っている。
鋳造ガラスの首飾り 前4-後3世紀 ギーラーン出土?
首飾り 前4-後3世紀 イラン出土
説明には型成形とされている。
金箔を貼り付けたようでもなく、ゴールドサンドイッチガラスのようでもない。
首飾り 前4-後3世紀 イラン出土
同じく型成形の首飾りのコーナーにあったもの。
葡萄の房を5つ配したようなものやソロバン玉型のものは金属。

腕輪 紀元前のパルティア時代 北イラン出土
腕輪類 前1世紀 シリア?
腕輪とトンボ玉

香油瓶 前1千年紀 ガラス 東地中海域様式
底が切れてしまった。浅い羽状文がゆったりと並んでいる。
コアガラスのアンフォリコス 時代不明
頸部は平行線文、胴部は羽状文で口縁部から肩へと細長い双耳が付く。頸は短いが、前2-1世紀に東地中海地域で出土したアンフォリコスに似ている。
アンフォリコス
こちらはジグザグ文。かなり以前にコアガラス作家の田上惠美子氏に、上作品のような羽状文は上に引っ掻いてつくり、ジグザグ文は刃を下方向に当てたり、上方向に当てたりしてつくると聞いたような気がする。
人頭玉 前6-4世紀 
説明には黒海域の様式とされているが、こんなに古いものには見えなかった。
ガラス容器 後3世紀 シリア?

土器類
穀物保存用の壺 前3千年紀 ニーハヴァンド出土
肩の突き出しがなく、胴部の張った器で、上部に彩画と角の大きな草食獣の浮彫を貼り付けている。下はジグザグ文で終わる。
犬を従えた狩猟の様子が描かれている。人物はブーツを履いた3人で、2人は手に渦巻くものを、1人は太短いものを持っている。多数の犬と獲物の大きな草食獣は、すべて肢を揃えた横向きで、尾の長い動物だけが肢が開き気味でうる。鳥や魚も小さく描かれて、豊かな生活の描写となっている。

嘴形容器 前1千年紀初頭 ギーラーン州アムラシュ出土
大きくうねる突線の飾りも付けられ、点線で何かをあらわしている様子。三足で長い注ぎ口をうまくバランスさせている。 
右背後には牡牛の頭部がついたリュトン。
首飾り ファイアンスと金属
手提げ袋形とでもいえば良いのだろうか、今まで見たことのない形の垂飾だ。

牡牛型リュトン 前1千年紀 ギーラーン州マールリーク出土
もはやお馴染みのというしかない。
彩釉水差し 前1千年紀 アゼルバイジャン出土
有角の動物の突き出た口から注ぐ。嘴形容器とは別の地方ではこんな形になっている。
その顔面、肩部のロータス文、胴部の草食獣など、おそらく同じ色で描かれたのだろう。
似た牡牛文の施釉壺(前8世紀、メトロポリタン美術館蔵)がジヴィエでも出土しているが、そちらは黒い線で文様を描いていると共に、釉薬が枠の外に出て混じらない工夫にもなっている。
彩釉の蓋付き容器 型成形 前1千年紀 アゼルバイジャン出土
文様はよくわからないが、輪郭線がある。

ライオンの顔の陶板 後3世紀 出土地不明

ガラスあり土器ありで混乱するが、古いものが1階に展示されている。
2階へは、建物の中央の吹き抜けに設けられた階段で。

イランガラス陶器博物館 2階

関連項目
コアガラス容器の文様もジグザグを目指した?
彩釉の容器にも輪郭線

参考サイト
テヘランのイランガラス陶器博物館

参考文献
「ガラス工芸-歴史と現在」 1999年 岡山市立オリエント美術館