アナトリア文明博物館の内部は Anadolu Medeniyetleri Müzesi で見ることができます。
フリギア(フリュギア)時代について『アナトリア文明博物館図録』は、前12世紀の初めころフリギア人が、エーゲ海からの移民の跡をたどるようにして南東部ヨーロッパからアナトリアへとやって来た。首都はゴルディオンにおかれた。
残された銘からフリギア人はインドヨーロッパ系の言語を使っていた事がわかる。ギリシアの出典、特にヘロドトスによれば、フリギア人はマケドニアから出たとしているが、アッシリアの出典によるとムシュキの王ミタとされている。今日ではミタはミダスで、アッシリアのいうムシュキがフリギア人だとされているという。
「王様の耳はロバの耳」のミダス王の国。
『アナトリア文明博物館図録』は、オルトスタットにライオン、馬、牛、グリフォンやスフインクスが彫られているが、西アナトリア、後期アッシリア、 後期ヒッタイトの影響を見る事ができる。当時、フリギア人は後期ヒッタイトの工房からの影響を受けていたと考えられている。したがって、これらの浮彫は、後期ヒッタイトの彫刻芸術を目にしたフリギアの職人によって制作されたと考えられるという。
アンカラ近郊にもフリギア時代の遺跡が幾つもあって、そこから出土したオルトスタットが中央のオルトスタットギャラリーに並んでいた。
歩く馬 前1200-700年頃 安山岩 アンカラ、キュチュケヴレル Küçükevler 出土
説明パネルは、図の脚の筋肉は概略的に描かれているという。
オルトスタットが低いからだろう、スペースに収まるように横長に馬が彫られている。
外回廊の一角にフリギア時代遺物が展示されていて、まず、大きなパネルに王の葬儀の様子が再現されていた。
テーブル 前8世紀末 木製 ゴルディオンの大墳墓出土
パネルで金属の坏や小さな水差しが置かれたテーブルの脚部だが、
嵌め込み細工のテーブル 前8世紀末 高さ94㎝ ゴルディオンの大墳墓出土
葬儀の場面に遺体の足許に描かれたもの
後方のテーブルは最初に展示されていたテーブルの縮小版のようだが、部材が太い。
おそらくテーブルの天板だが、ビーズ状のものは何かな
土器
同館図録は、フリギアの陶器はろくろ製だが、無地のものと多色のものと二つのグループに大別できる。金属製を模した黒や灰色の無地のものが一般的である。文様のあるものは、明るい地色に赤茶色で四角、三角、波形やジグザグ線で同心円や市松文様を描いたものが多い。中には幾何学文様で完全にうめられているものもあるし、パネルに仕切って動物モチーフを描いたものもある。フリギア人の想像力と創造性を反映した動物型のリュトンは、 先史時代からアナトリアで使われてきた酒杯の流れをくんでいるという。1
中には幾何学文様で完全にうめられているものもあるし、パネルに仕切って動物モチーフを描いたものもある。フリギア人の想像力と創造性を反映した動物型のリュトンは、 先史時代からアナトリアで使われてきた酒杯の流れをくんでいるという。
右上の水差し 中筒がある。これについてはすでに記事にした。
左中のティーポット 前8世紀初 ゴルディオンW墓出土
動物文の大型容器も。
青銅器類
説明パネルは、ゴルディオンで出土した青銅製の大鍋は、フリギア金属工芸における最も傑出した発見の一つ。これらの丸い胴体の大鍋の縁には、人や動物を模したものが装飾として施されている。
人頭の魔物で装飾された大鍋は、アッシリア美術の影響を示している。これらの大鍋はウラルトゥの大鍋と非常に類似しており、ウラルトゥから請来されたものと考えられるという。
ウラルトゥの大鍋については次回
キュベレ像
説明パネルは、フリギア人は多くの神々を崇拝していたが、人間の姿で描かれた神はただ一人。それは「母」を意味する名を持つ女神「マタル」で、碑文にはマタルはいくつかの属性とともに記されている。キュベレの語源は、おそらくフリギア語で「山」を意味する「キュベレイア」に由来するという。
フリギアにおけるキュベレーに捧げられた祭祀記念碑は、前9-6世紀にかけてのものという。
長衣のスカートに当たる布は左右で異なる細かな衣褶があり、傍の小さな楽士たちはそれぞれ異なる楽器を奏でている。
建物のレプリカ展示
同館図録は、フリギア人は西アナトリアの伝統的形式により幾何学模様のテラコッタで屋根を飾り、床は多色のモザイクで飾った。この博物館にある最高のテラコッタパネルはゴルディオンとパザルリから出たものである。パネルには兵士、ライオンと牛の戦い、人間、鳥、馬、生命の木の両側に立つ山羊などが彫られているという。
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参考文献
「アナトリア文明博物館図録」 アナトリア文明博物館発行の古い(1995年以前)図録
参考にしたもの
博物館の説明パネル

































