お知らせ
イスタンブールでミマールスィナンの造ったモスクを見ていて、その前はどんな形のモスクだったかが気になって、オスマン帝国の古都を旅してきました。最後にはまたイスタンブールを訪ねます。
詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。
2010年12月21日火曜日
2-4 パラティーノの丘、スタディウムの皇帝観覧席
フォロ・ロマーノ側からパラティーノの丘に来ると、スタディウムの皇帝観覧席はまずこのように正面から見えるだろう。
しかし正面入口から入ると、スタディウムの北東角に当たるので、裏側が見えるので、何がなんだかわからない内にテラスの方へと進んでしまった。
ただ、上の方に四角い刳り型が並んでいるのに気づいただけだった。これは後に見学予定のパンテオンのドームの構造に似ている。ローマ時代には普通の建築技術だったようだ。
回り込むと平面が半円の建物の外壁だけでなく、内部へと続く通路の天井にも同じような四角い刳り型が並んでいた。しかも、ヴォールト天井という曲面に。
南側から眺めると、また別の高いヴォールト天井があり、その東側には2段に四角い刳り型が並んでいる。
拡大するとそれぞれの形が少しずつ違う。そして、建物の他の部分と異なり、赤いレンガが用いられず、白っぽい石を彫り込んだようにも見える。しかしこれは、ローマン・コンクリートと呼ばれる画期的な建築材料でつくられたもので、刳り型は重量を軽減する工夫だろう。
立ち入り禁止の柵があちこちにある。以前は通ることができた道も今では塞がれている。右側の皇帝観覧席の南端には斜めに三角のような形のものが取り付けられているが、これは扶壁(バットレス)という補強のためのものだろう。
遠くにはチルコ・マッシモの皇帝観覧席が見えている。左の遺構は何かわからない。
その南を回り込むと、南西側からはこのように見える。矢印のところには埋め込まれたようなアーチがある。これも補強のためのもの。このアーチは、一番上の皇帝観覧席の正面の写真の矢印のアーチと表裏になっている。
ローマン・コンクリートやコンクリートの刳り型については後日