お知らせ

イスタンブールを旅してきました。目的は、ミマール・シナン(正しい発音はスィナン)の建てたモスクやメドレセ・ハマムなどや、ビザンティン帝国時代の聖堂の見学でした。でも、修復中のものもあり、外観すら望めないところも多く・・・ 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2012年3月8日木曜日

4日目6 イサクパシャ宮殿3

トプカプ宮殿も最奥部が皇帝の私的空間だったように、イサク・パシャ宮殿も一番奥にハレムがある。
6:ハレム入口のタチカプは、他のタチカプよりも装飾的だった。
ムカルナスは妙な進化をとげており、生命の樹も独特だ。これらについては後日。
門の両側にはライオンがいて狛犬のようだ。どちらも奥の方の前脚をあげていて、お手をしているようにも見える。
面白いのは尻尾が蔓のように右に左にカーブしながら上に向かっている。その間に不思議な植物文様が嵌め込まれていて、大きな葉の内側が格子の透彫になっている。この宮殿独特の文様帯だ。
入ってすぐ左の部屋は浴室だった。大きな浴槽があって、ローマ以来の蒸し風呂ハマムではなかったらしい。
中央の通路から入ったのは11:厨房。火を使ったせいか、煤が壁面を黒くしていた。
ここは崩れそうなためか、金属で補強しまくっていて、天井を見上げてもさっぱりわからない。14の間と同じように、部屋には4本の円柱があり、そこから出たアーチの梁で天井が9つに分かれていたのだろう。中央は煙を抜くために高くなっている。
12の間は八角形の平面から大きな穴の開いたドームが架かっている。上のリブの各角の上に小さな三角の凹みがある。これで上に円形を造ったのだろう。
何の部屋だったのか覚えていないが、平面図で見ると、5:キュンベットと同じくらいの大きさだ。
13の間も同じくらいの広さで、正方形の平面に、四隅が平面の三角形を造って八角形とし、そのまますぼめていって八角ドームを架けている。
廊下に出ると小さな壁龕と各部屋への出入口が並んでいる。
どの部屋も同じ造りで、2つの窓とその間に暖炉がある。異なるのは窓から見える景色だけ。
8:広間は腰壁が白と黒の切石で>の文様が、両側から向こうの通路に向かっている。
柱頭や尖頭アーチにも浅浮彫の装飾がある。ここが一番華やかな部屋だった。
※参考文献
「トルコ・イスラム建築」飯島英夫 2010年 冨士書房インターナショナル