イサク・パシャ宮殿を出てドーバヤズィットの町に近づいたところで、やっとアララト山が見えて来た。
周囲の山は岩と土の重なった地層が、あっちに傾き、こっちに傾きして、複雑な地殻変動があったことを思わせる。
あのギザギザの山の裏手に回った。イサク・パシャ宮殿は反対側にある。
この山も、地層が傾いて岩の層が頂上になり、侵食を受けたのだろう。
固い層が何層も出ていて、裾野の方は岩がだいぶ消滅しているという風に見える。
途中で宿泊するホテルにチェックイン。荷物を置いて、小さなバスで再び出発した。
E80を国境に向かって走ると右の窓にはやっぱり地層が斜めあるいは縦になったような山が見えている。
やがて細い道に入って山間を縫うように登っていった。
振り返ると小アララト山の頂上に雲がかかっている。
山肌は複雑だった。
小さな建物のある展望台?に着いた。下の地図では左から1/3、上から1/4あたりの丸いのがその建物。
小さな谷を挟んで、ノアの方舟跡といわれるものを眺めることができる。
ノアの方舟跡は、黄色い線が下1/3辺りで90度に曲がっている、その少し右側のサツマイモのような形のものです。
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大アララト山は標高5137m、小アララト山は3925m。アララト山(トルコ語ではアール山 Agri Dagi)は遠くで見ていたよりも姿がよくなった。小アララト山は富士山に似た形だが、富士山よりも高い。
小アララト山は、アララト山の稜線から噴火してできた山だと思っていたが、近づいて見る方向が変わってくると、かなり離れたところにあるのだった。
この展望所付近にも花がたくさん咲いていた。ヨーロッパ原産と言われるカモガヤのせいで、昨日ヴァン猫を見た頃から花粉症気味。鼻をかみながら花の写真を撮りました。
その写真はこちら
キリスト教徒とユダヤ教徒は、あれをノアの方舟跡と言っていますが、トルコ人はそうは思っていません
ノアの方舟跡といわれているものは、アララト山ではなく、アララト山の南側の山の中腹にあった。
立入禁止でもなく、中を散歩している人たちがいた。
岩と土の層が傾き、強い褶曲を受けた地表が露出した山々を車窓から眺め続けた私にとっては、これは、両側から押された2つの岩の層が、たまたまこのような形になって地表に現れただけとしか思えなかった。