お知らせ
イスタンブールを旅してきました。目的は、ミマール・シナン(正しい発音はスィナン)の建てたモスクやメドレセ・ハマムなどや、ビザンティン帝国時代の聖堂の見学でした。でも、修復中のものもあり、外観すら望めないところも多く・・・
詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。
2013年11月20日水曜日
オシオス・ルカス修道院2 主聖堂(カトリコン)のナルテックス
中に入るとまずナルテックスがある。
横長の空間なので、撮るのが難しい上に、なんといっても金地モザイクが輝いているのに惑わされて部屋全体を写していない。
入って中央の交差ヴォールトを見上げると106-109のメダイヨン、右はパントクラトール、左は入口側137-141のメダイヨンがある。
パントクラトール
『世界歴史の旅ビザンティン』は、9世紀を境に、ドームの「昇天」は、「パントクラトールのキリスト」とよばれるキリストの半身像にとってかわられる。メダイヨン(円形枠)の中のキリストは、左手に聖書を持ち、右手で祝福の仕種をとる。「昇天」という一回限りの歴史的事象を描くよりも、普遍恒常である神の、超越的なイメージがドームにはふさわしいと考えられたのであろうという。
ここでは、身廊のドームではなく、身廊への入口上のタンパン(半円形壁面)に表されている。
その左(北側)にキリスト磔刑図
キリストの足の下に何が描かれているのだろう。
北壁に回って
使徒の足を洗うキリスト
西北窓へ
142-147までのメダイヨンや正面向きに立つ女殉教者たち
西南の窓
130-136のメダイヨンと、十字架の両側に立つコンスタンティヌス帝と、エルサレムでキリストが磔られた聖十字架を発見した母のヘレナ(イレーネ)。
南壁に回って
不信のトマス
東壁南側に回って
キリストの復活
復活だけでなく、冥府降下も同時に表しているような・・・当時のキリストの復活というのはこのような構図が一般的なのかも。
冥府降下とは、キリストが地獄に降りて、先祖のアダムとエヴァを救い出す場面をいう。
では、オランスの聖母に祝福され、パントクラトールのキリストに見守られながら、内部に入っていこう。
オシオス・ルカス修道院1← →オシオス・ルカス修道院3 主聖堂(カトリコン)2 身廊
関連項目
オシオス・ルカス修道院5 クリプト
オシオス・ルカス修道院4 パナギア聖堂
※参考文献
「THE MONASTERY OF HOSIOS LOUKAS IN BOEOTIA」 HIERONYMOS LIAPIS 2005 ATHENS